【研修コース】地域振興に寄与するエコツーリズム等の持続可能な湿地資源の利用研修が終了
2024.09.20
2024.09.20
2024年8月19日から9月4日まで、中央アジア3カ国(ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン)から湿地や森林保全に従事する自然環境行政官である研修員8名が来日し、日本のエコツーリズムの取り組みについて学びました。
上記3カ国はラムサール条約の加盟国として、湿地の保全と利用の両立や、環境保全活動の推進が求められています。自然環境や歴史文化などの地域固有の魅力を観光客に体感してもらい、持続可能な湿地のエコツーリズムを実現する取り組みは、自然環境保全のみならず、地域住民の利益や経済にも大きく貢献することが期待されます。
本研修では、最初1週間は東京に滞在し、環境省や一般財団法人自然環境研究センターから「日本の自然環境保全政策」や「日本におけるエコツーリズム」等の講義を受け、日本での取り組みについて理解を深めました。その後、北海道釧路市へ移動し、約1週間かけて、阿寒湖畔エコミュージアムセンター、阿寒摩周国立公園、硫黄山、塘路湖、霧多布湿原センター、釧路湿原野生生物保護センター、温根内ビジターセンター等を訪問し、実際に現場で説明を受け視察や体験を行いながら学びを深めました。十勝に移動後は、ひがし大雪自然館や然別湖畔の視察に加え、研修での学びを振り返り、自国で地域住民の参加を得て湿地の賢明かつ合理的な利用を促進するための計画を策定しました。
講義だけでなく、視察や体験での学びをとおして、道東地域の自然豊かな景観や特徴を生かした観光の在り方、地域住民や企業と一体となって自然環境保全に取り組む姿勢に研修員は高い関心を寄せていました。
阿寒湖畔視察
摩周湖視察
研修最終日に研修員が策定した今後の各国でのエコツーリズム推進について発表を行いました。
研修員からは、
「環境教育や啓発活動を実施して、地元住民、ボランティア、学校の生徒とのエコ活動を展開したい」
「地域住民や観光客の自然環境保全の重要性にかかる理解促進に向け、対象者を細分化し、それぞれの関心と知識レベルを考慮したプログラムを開発したい」
「より興味深く記憶に残るよう環境ゲーム、クイズラリー、ワークショップを実施したい」
「湖周辺のエコツーリズム推進のためのインフラ整備にあたり、森林資源の調査や地域住民へのアンケート調査を実施したい」など、意欲的な活動計画について発表がありました。
研修外では、JICA東京センターで小学生との交流や、JICA北海道センター(帯広)へインターンシップで訪問していた高校生とのダンス動画撮影、休日は地域のお祭りに参加するなど、日本人や日本文化との交流も楽しむことができ、閉講式では出会った人々、そして約3週間の研修で学びを深め合った仲間への感謝の言葉が溢れました。
今回の研修での学びが、各国のよりよいエコツーリズム推進につながることを願っています。
アクションプラン発表の様子
閉講式の様子
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