【草の根技術協力事業】モンゴルの道路維持管理に向けて、モンゴル人関係者が北見市で研修
2024.12.23
2024.12.23
東アジアに位置する内陸国のモンゴルは、冬季には厳しい寒冷地環境におかれます。
冬の期間を終えた後、舗装整備された道路路面の陥没や亀裂といった症状が、いたるところで発生し、自動車の運行上の障害となっています。道路の修理に費やす時間と費用も大きくなり、全ての修繕が間に合わず経済活動や市民生活の足枷となっています。この問題は厳しい寒冷地で起こる凍上現象(アスファルト下の土壌が凍結して隆起する現象)によるもので、モンゴルにおいてはその原因の特定や対策が十分にとられていませんでした。
北海道の中でも厳しい冬となるオホーツク地域の北見市に所在する北見工業大学では、凍上現象を含めた寒冷地におけるインフラ管理の研究を行っており、その研究成果が北見市の道路管理に活用されています。これら状況を背景として、北見市と北見工業大学が中心となり、モンゴルのウランバートル市の道路建設に関わる研究者や技術者に対し、JICAの草の根技術協力が行われることになりました。
この草の根技術協力プロジェクトは2022年8月から開始され、2025年8月まで実施されます。協力活動は問題の原因となる凍上現象についてその発生要因やメカニズムについて学び、モンゴルにおける発生予測、分析、またその対策に繋げていくものです。プロジェクトの活動はウランバートル市で多発する長期の停電などにより、実験や分析が度々中断されるなどの困難もありましたが、日本側、モンゴル側、双方の関係者の努力もあり、計画された活動とその成果がプロジェクト終了までには達成できる見込みです。
この度の本邦研修ではモンゴルから7名が来日し、2024年11月25日から29日まで約1週間、北見工業大学や北見市を訪問し、これまでの活動成果を確認するとともに、残された技術的な課題を解決するために北見工業大学において研修を行いました。
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