【研修コース】課題別研修 母子栄養改善を実施しました
2025.03.11
2025.03.11
2024年9月24日(火)から12月17日(火)まで、母子栄養改善コースを実施しました。
本コースでは、「栄養改善拡充イニシアティブ(SUN)」加盟国の栄養士や病院で勤務している看護師を対象に、妊産婦の健康及び新生児・小児保健戦略に基づいた「母子栄養改善」に関する能力強化を目的としています。「人生最初の1000日間」に焦点を当てつつ、就学前や学童期の食育、思春期(妊娠前期)の貧血予防など、ライフコース全体にわたる栄養改善アプローチについて、日本の国・地方自治体、医療機関、保健センター等における母子を中心とした栄養改善の背策を学ぶとともに、家庭、地域や学校から「健康的な選択のための知識と意欲の獲得」に向けた取り組みを学びました。
帯広市保健福祉センターでの視察の様子
中でも、帯広大谷短期大学では、新設された看護実習棟の見学や学生とのグループ討論を行いました。グループ討論では、学生が感じる思春期における栄養課題と、JICA研修員が感じる母国の栄養課題を共有し、どのように解決したらよいかを各グループで話し合いました。学生との交流も図ることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
帯広大谷短期大学での調理実習の様子
この他にも、助産院での母乳育児に関する講義や帯広市内保育所の食育の取り組みなどを見学し、日本の好事例について学びました。
大谷短期大学の学生とのグループ討論の様子
研修最後のレポート発表会では、研修で学んだことを踏まえ、母国の課題解決に向けた提案を発表しました。
●地元の学校に在籍している5~10歳の子供の35%、11~19歳の青少年の31%が肥満である。それを改善するため、日本で実施している「食育」という栄養教育を実践し、健康的な食習慣と選択肢に関する教師と生徒の知識を増やしたい。(エクアドル)
●母国の妊産婦と5歳以下の子供の貧血を改善したい。鉄分豊富な食材を使った料理を提供するため、医療機関で働く職員に対し、鉄分を含む健康的な料理が提供できるようにしたい。日本で行っている調理実習を参考に、母国でも標準化させることで、調理実習を通じて鉄分の重要性の認識や理解が深まり、鉄分を多く含む食品の摂取に対する行動が変化するだろう。(ガーナ)
●緊急時の母乳栄養についての栄養士の知識を改善したい。緊急時の栄養管理に関する適切なガイドラインや情報が欠如しているため、妊産婦と乳幼児の緊急時における栄養管理ができる医療従事者を増やし、乳幼児が安心して母乳育児を受けられるような仕組みを作っていきたい。(ルワンダ)
来日研修中、ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。
また、本研修では、来日研修終了後、帰国してからの活動報告をまとめたオンラインでのフォローアップセッションを実施しています。
研修員はそれぞれ帰国後にアクションプランを達成するために、関係者との打ち合わせを行い、今後の活動に向けて議論するなど、精力的に活動している様子が見られました。
オンライン上で閉講式を実施し、修了いたしました。皆さんがそれぞれの国で活躍されることを心から願っています。
オンラインフォローアップセッションの様子
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