【ボランティア】派遣前の海外協力隊が芽室町にてグローカルプログラム最終報告会を実施
2025.09.22
芽室町に6月から滞在し、地域課題解決に取り組んできた派遣前のJICA海外協力隊4名(グローカル生)が、2025年8月20日(水)、芽室町内のめむろーどにてこれまでの取り組みについて、最終報告会を実施しました。
4名は、自身が設定した探究テーマに沿って、2ヵ月半、活動を行いました。当日は、1人30分ずつ、実際に取り組んだことや、町民との交流で感じたこと、これから任国でも生かしていきたいことについて、熱い思いを発表しました。
最初の報告者は、ホンジュラスでコミュニティ開発支援に取り組む予定の川村健太(かわむら けんた)さん。「芽室探訪想」と題し、町内イベントの参加者に、芽室への想いを模造紙に自由に書いてもらい、芽室のパワーを「見える化」する活動を実施しました。報告会会場にも、町民からのメッセージで埋め尽くされた模造紙を掲示し、参加者は熱心に川村さんの成果を眺めていました。川村さんは、芽室町民同士の温かい交流が芽室愛につながる勢いを感じたことから、任国では、交流により住民の想いをくみ取っていく活動につなげたいと発表を締めくくりました。
カンボジアで柔道支援に取り組む予定の田上知歩(たのうえ ちある)さんは、町内の少年団や学校に積極的に出向き、子ども達への柔道指導に挑戦しました。その際、指導者の方が子ども達が技術を磨くだけでなく、柔道を好きになる指導スタイルを実践されている様子に影響を受けたそうです。カンボジアの柔道施設の環境は整備が必要な状況ですが、現地の子ども達に柔道を好きになってもらえるような活動を目指したいと語りました。また、芽室町で音楽イベントを実施した経験から、音楽とスポーツを掛け合わせ、住民同士がふれ合い楽しめる機会を創出したいとも述べました。
今田海斗(こんた かいと)さんは、ザンビアで観光支援に取り組むため、芽室町ではゲストハウスでの宿泊者増を目指す取り組みや、芽室町の特産品であるピーナッツの皮やポップコーンの軸、落ち枝を使用した燻製のワークショップを開催し、コミュニティにおける観光振興を探究しました。芽室町で観光アクティビティを検討するうちに、体験を通じて観光客と住民が一緒に楽しめることが魅力創造につながると気づいたそうです。その気づきを、ザンビアでも実践し、地元の経済や住民の幸せにつながるような観光支援をしていきたいと力強く語りました。
最後に、ヨルダンにて環境教育に取り組む予定の上野美南海(うえの みなみ)さんは、任国での教育活動についてヒントを得るため、芽室町地域おこし協力隊員とともに、町民とともに地元食材でオリジナルメニューを考案する「ジモト大学」のイベントを運営しました。また、沖縄出身の上野さんは、子ども活動関係者との食事会で、沖縄の郷土料理をふるまい、交流を深めました。日高山脈のお絵描きイベントでは、環境省自然保護官が、子ども達の目線に合わせてわかりやすい説明に努める姿に感銘を受けたそうです。また、異年齢の町民を対象に「居場所ニーズ」調査を実施。とくに若い世代で、仲間と一緒に過ごす場所を求めている町民が多いことがわかりました。任国では、環境も考え方も異なる人間同士が、お互いに目線を合わせて環境保護の観点を共有するために、芽室町で学んだ関係づくりを参考に考えていきたいと目標を述べました。
ブラジル出張中の芽室町長がオンラインで報告会を見守り、4人の報告後には、芽室町副町長から芽室町で地域活性化活動に邁進したグローカル生の、今後の活躍について激励をいただきました。
続いて、JICA北海道センター(帯広)代表は、2か月半、グローカルプログラムにご尽力いただいた芽室町の関係者の皆様への感謝の気持ちを述べました。
最終報告会には、多くの方々にご参加いただき、質疑応答も活発に行われ、町民の皆様がJICAグローカルプログラムへ興味を持ち、積極的にご協力いただいた様子が伝わってきました。
グローカル生の受け入れを担い、悩みを聞き、励ましてくださった十勝プラス代表及川様からは、4人の活動の軌跡をまとめたビデオメッセージがサプライズプレゼントされ、グローカル生の目には感激の涙が光りました。
これから、4名はJICA海外協力隊として正式に派遣されるべく、派遣前研修に励みます。
当プログラムへご協力いただいた関係者の皆様並びに、最終報告会へご参加くださった皆様に心から感謝申し上げます!
グローカル最終報告会の様子はJICA北海道センター(帯広)Instagramに掲載しています。
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