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【開催報告】上士幌グローカルプログラム 最終報告会

2026.01.29

上士幌町から世界へ、3人が語った挑戦と学び

上士幌グローカルプログラム(以下、GP)の最終報告会が開催され、派遣前研修の一環として町内で活動したJICA海外協力隊派遣前隊員3名が、成果物と学び、そして次の挑戦への思いを発表しました。2か月半と短い期間ながらも、町民の皆さまのご協力のもと、それぞれの関心や専門性を生かした実践が実を結び、地域に根差した活動を通じて生まれた価値と、世界へ向けた視点の双方が感じられる時間となりました。

畜産隊員としてパナマで活動予定の渡部風河さんは、外国人技能実習生と町民が安心して共に暮らせる環境づくりを目指し、生活情報をまとめた多言語パンフレットを制作しました。ベトナム語や中国語、クメール語などの言語で作成し、町内の複数施設と関係者に配架いただきました。内容は、ごみ分別をはじめとする日々の暮らしに直結する情報を中心に構成され、現場の声を反映させた実務性の高い取り組みとして好評でした。

当初は交流イベントや高校生によるガイドツアーを検討していましたが、言語の多様性や単発開催の継続性といった課題を踏まえ、形に残る資料づくりへ舵を切りました。進める中で、目的に迷う瞬間もありましたが、周囲への進捗共有を重ねることで軌道修正し、行動を前へ進める手がかりを得たと振り返りました。

コミュニティ開発隊員としてホンジュラスで活動予定の谷口二葉さんは、町民の皆さまからレシピを伺い、その料理に込められた思いや人生のエピソードも含めて一冊にまとめました。初期は企画の意図を十分に伝えることができず、共有に時間を要する時期もありましたが、企画書を整備して示すことで協力の輪が広がりました。

谷口さんは、取材と編集を通じて、レシピの分量の数値化にとらわれすぎず、素材の状態や味覚を頼りに料理を仕上げていく大切さに気づいたそうです。「料理はもっと自由でよい」という実感が自信につながったと述べました。冊子は町内の公共施設等で閲覧可能で、食の記録であると同時に、人と地域の記憶をつなぐ小さなアーカイブとしての役割も期待されます。

コミュニティ開発隊員としてボリビアで活動予定の持田公孝さんは、町で働く方々に焦点を当て、仕事を通して人となりや地域の個性を記録する「かみしほろ働くひと図鑑」を制作しました。当初、取材者の交渉においては理想を追いすぎ、断られる壁に直面したと話します。しかし、既存のつながりを大切にしながら丁寧に依頼を重ねることで、協力の輪が広がっていきました。

作成過程では、文字起こしや確認作業の苦労もありましたが、協力者の思いに応えたいという責任感が推進力となり、完成に至りました。図鑑は、町民同士の交流を促し、次世代が地域の仕事と人を知る入り口となることを目指しました。

JICA北海道(帯広)根本直幸代表からは、3名それぞれの成長に触れながら、「国際協力の本質は人と人のつながりにある。柔軟さと揺るがない芯の両方を携え、任地でも学びを深めてほしい」とエールが送られました。
竹中貢上士幌町長は、上士幌町が掲げてきたグローバルな視点とSDGsの推進について言及され、外からの視点が地域にもたらす価値の大きさについて述べられました。3名の実践は、町民にとっても新たな気づきの機会となったと評価されました。

3名が制作された多言語パンフレット、レシピ冊子、かみしほろ働くひと図鑑は、町内の関係施設等にてご覧いただけます。

本最終報告会にご出席いただいた皆さま、そしてこれまで活動を支えてくださった多くの方々に、心より感謝申し上げます。皆さまのご理解とご協力があってこそ、3名はここまで歩みを進めることができました。
今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

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