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【研修コース】アラブ圏 市場志向型農業振興 ―SHEPアプローチ―(行政官)コース実施報告

2026.09.07

 2026年度の課題別研修「アラブ圏 市場志向型農業振興 ―SHEPアプローチ―(行政官)」コースを以下の内容で実施しました。

研修日程

  • 実施期間:2026年6月25日 ~ 2026年7月17日
  • 開催場所:帯広、十勝地域、エジプト
  • 参加国:エジプト、モロッコ、スーダン、パレスチナ、イラク

研修の目的

 本邦及び在外補完研修で学んだSHEPアプローチ(※)を用いたアクションプランが、研修員の所属組織により帰国後、実践される。
(※)SHEP(Smallholder Horticulture Empowerment & Promotion)アプローチとは、2006年から始まったケニア農業省とJICAの技術協力プロジェクトにおいて開発された小規模園芸農家支援のアプローチです。野菜や果物を生産する農家に対し、「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」への意識変革を起こし、営農・栽培技術向上によって農家の所得向上を目指すものです。

研修の内容

 6月下旬から7月中旬までの3週間にわたり、帯広・十勝地域およびエジプトにおいて、SHEPアプローチに関する研修を実施しました。本研修には、エジプト、モロッコ、スーダン、パレスチナ、イラクの5か国から、農業普及などに携わる行政官など13名が参加しました。

 第1週は、SHEPアプローチの基本コンセプトについて理解を深めるため、講義を中心に実施しました。SHEPアプローチは、「ビジネスとしての農業の推進」と「人が育ち、人が動くためのデザインと仕掛け」を柱としています。参加者は、市場ニーズを踏まえた営農の考え方や、農家の主体的な行動を促すための仕組みづくりについて学びました。特に、農家の内発的な意欲を引き出し、外部からの指示ではなく、農家自ら考え行動できる環境を整えることの重要性について理解を深めました。

 第2週は、十勝地域において農家や農家を支援する関係機関への視察、演習型ワークショップを中心に実施しました。参加者は、SHEPアプローチの4つのステップである「対象農家選定と目的共有」「農家の気づきの機会創出」「農家による意思決定」「技術の提供」に沿って、一連のプロセスを実践的に学びました。

 第3週は、エジプトにてフォローアップ研修(在外補完研修)を実施しました。エジプトで展開されているISMAPアプローチ(※)の対象農家を視察したほか、卸売市場での市場調査や、その結果を踏まえた作物選定などの演習を通じて、SHEPアプローチの実践方法を学びました。
(※)ISMAPアプローチは、SHEPアプローチに女性の経済的エンパワーメントの視点を取り入れた取組です。小規模農家への支援に加え、女性の所得向上や家禽飼育支援などを通じて、農村女性の生計向上と社会的地位の向上を目指しています。

 本研修を通じて、参加者はSHEPアプローチの理念と実践方法を体系的に理解するとともに、自国での活用に向けた具体的なアイデアや示唆を得ることができました。今後、それぞれの国・地域での状況に応じてSHEPアプローチが活用され、農家の所得向上や持続的な農業発展につながることが期待されます。

参加研修員からの声

「演習型ワークショップを通じて、SHEPアプローチの実施方法を理解し、それを現場でどのように適用するかを学ぶことができた。また、現地視察はSHEPアプローチへの理解を一層深めるとともに、それぞれの機関が果たす役割を理解する上で大きな効果があった。」
「日本の秩序、豊かな文化、清潔さ、静けさ、そして人々の相互尊重の姿勢は、私の心に素晴らしい印象を残しました。私は最も美しい思い出を胸に日本を離れますが、将来また戻ってこられることを願っています。」

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