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10か国の行政官・技術者が北海道で灌漑施設の運営・維持管理を学ぶ 課題別研修「施設の運営・維持管理の向上を通じた農業生産基盤の整備(A)」が終了

2026.10.22

JICA北海道(帯広)では、2026年6月21日から7月31日まで、課題別研修「施設の運営・維持管理の向上を通じた農業生産基盤の整備(A)」を実施しました。

■開発途上国では、灌漑施設の整備が進められている一方で、施設の老朽化や維持管理体制の不足などにより、その機能を十分に発揮できていない地域も少なくありません。食料安全保障の観点からも、農業生産基盤の整備と灌漑施設の適切な運営・維持管理能力の向上は重要な課題です。
JICAは、国土交通省北海道開発局帯広開発建設部のご協力のもと、各国の課題を解決すべく、本研修を実施しています。

■今年度は、エジプト、ウクライナ、コートジボワール、スーダン、タンザニア、ネパール、フィリピン、ブータン、モロッコ、ルワンダの10か国から、灌漑施設の運営・維持管理に携わる技術者等10名が参加しました。
研修では、農業基盤整備事業の概要、土地改良制度、排水整備、用水管理システム、農業水利施設の機能診断やストックマネジメント※などに関する講義・視察、実習が行われました。
※施設全体の状態を客観的に把握・評価し、中長期的な劣化や更新の必要性を予測しながら管理する仕組み

水路の傾斜を確認

ひび割れ箇所や大きさなどを把握し、適切な維持管理を考えます

■十勝地域では畑地灌漑施設の運営・維持管理について学ぶため、札内川ダムや札内川頭首工、美生ダム、ファームポンド、農場等を訪問しました。研修員は関係機関や農業者から直接説明を受けながら、日本の農業用水供給システムや施設管理の実際について理解を深めました。また、流量観測の実習も行いました。

札内川ダムを訪問 こんな記念写真スポットも

ニュウジルシ川での流量観測

美生ダムの視察

散水施設を見学

さらに、旭川地域では水田灌漑施設に関する研修を実施。東川地区では、農地を集約して効率化を実現している現場の視察を行い、その工法などを学びました。また大雪土地改良区やてしおがわ土地改良区を訪問し、改良区や水利組織の体制、施設の維持管理や水管理等について学びました。広大な水田地帯の地下に埋まる設備について熱心に討論や質問する姿に、エンジニア魂が垣間見えます。

東川 土地改良プロジェクト現場

稲で描かれた「田んぼアート」

■研修員は技術研修だけでなく、JICAイベント「世界のともだち」に参加したり、清水町立清水中学校や音更町立下音更小学校を訪問し、地域の方々と交流しました。また、日本文化体験プログラム(お茶会)などにも参加しました。これらは帯広の地域社会や日本の伝統文化に触れる貴重な機会となりました。

JICAイベント「世界のともだち」にて地域の皆さまとスポーツ大会

お茶をいただくのは初めての経験!

■研修の成果として、帰国後に取り組む活動計画(アクションプラン)を作成し、研修最終週に発表を行いました。灌漑施設の維持管理・予防保全、そのためのデータ収集や評価など、十人十色のアクションプランが作成され、今後の取組について意見交換を行いました。
研修員からは、「講義と現場視察を組み合わせたことで、日本の灌漑施設管理を実践的に学ぶことができた」、「土地改良区による運営体制やストックマネジメントの考え方は自国でも活用したい」、「研修で得た知識や経験を帰国後の業務に役立てたい」といった声が寄せられました。
翌日の閉講式では修了証書が授与され、約6週間にわたる研修を修了しました。


■さいごに
研修開始時には初対面だった10か国10名の研修員たち。日本での共同生活と学びを通じて互いを理解し、強い絆を築きました。帰国時には涙を流しながら別れを惜しむ姿も見られ、現在もSNSを通じて交流が続いています。

閉講式 多くのみなさまにご協力をいただきました

See you!! 全員が無事に帰国しました

今回の研修は、灌漑施設の運営・維持管理に関する知識や技術の習得だけでなく、国境を越えた人と人とのつながりを育む機会となりました。
帯広開発建設部やすけっと100人会、ズコーシャの皆様、本研修実施に際しご協力いただいた多くの方々に心より御礼を申し上げます。

以上

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