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【開発教育】2026年度教師海外研修(コスタリカ)実践授業【北海道釧路北陽高等学校 工藤よしの先生】

2026.10.29

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校、高等専門学校、特別支援学校の先生が、JICAが活動する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での実践授業を行う研修です。

2026年度はコスタリカで現地研修を行いました。今回は北海道釧路北陽高等学校で行われた工藤よしの先生の実践授業の風景をお届けします。
10月16日、北海道釧路北陽高等学校において、工藤先生による実践授業が行われました。この授業に先立ち、生徒はコスタリカと阿寒湖周辺地域との類似点や相違点を共有し、コスタリカの農家さん直伝レシピでお菓子を作って現地の暮らしを体験しました。今回の授業では、前半にすごろくを通して、国が発展するためのリアルな葛藤や選択の難しさを疑似体験し、後半のマイクロディベートでは2人1組でトレードオフを意識しながら議論を行いました。

トレードオフやジレンマを体験するすごろく

前半の授業では、生徒が建設会社、農家、観光事業者、環境省など異なる立場に分かれ、自然保護と経済発展のバランスについて意思決定を繰り返す「コスタリカ国づくりミッションすごろく」に取り組みました。すごろくを通して、「環境を守りたいが地域経済も大切である」「開発を進めれば雇用は生まれるが自然環境への影響も避けられない」など、トレードオフの難しさに気付く生徒が多くいました。また、自分が担当した役割の立場から考えることで、それまで一面的に捉えていた社会課題を多面的に考察する姿が見られました。

阿寒湖を題材に地域について考える

後半の授業では、「阿寒に大型リゾートホテルを建設する計画に賛成か反対か」をテーマにマイクロディベートを行いました。
生徒たちは2人1組で賛成・反対それぞれの立場に分かれ、観光振興や雇用創出といったメリット、自然環境への影響や地域らしさの維持といった課題について意見を出し合いました。
中には、自分自身の考えとは異なる立場を担当する生徒もいましたが、相手の意見に耳を傾けながら議論を進め、「どちらの意見にも納得できる部分がある」「地域の将来を考えるのは難しいけれど大切なことだ」といった気付きにつながっていました。
コスタリカで学んだ自然保護と持続可能な発展の考え方を、自分たちの身近な地域課題と結び付けながら考える貴重な機会となりました。

今回の授業を通して、生徒たちは自然保護と経済発展の間にあるトレードオフについて理解を深めるとともに、「本当の豊かさとは何か」「地域の未来をどのようにつくっていくべきか」について考えました。
また、阿寒の先人である前田正名の「観る山」の考え方に触れたことで、自然を守りながら地域の魅力を活かしていく大切さについても学ぶことができました。
今後、生徒たちはこれまでの学習成果をもとにペープサート(紙人形劇)を制作し、地域の小学生に向けて発表を行う予定です。コスタリカと阿寒湖周辺地域の学びを次の世代へ伝える活動へとつながっていきます。

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