~緒方貞子さんから何を学び、どう生きるか~連続出張講座 Part3~

2023.11.08

現在の高校生に「現場主義」を伝えたい!

興味から仕事に変わる

JICA東京では緒方元理事長の「ことば」をパネル化し、埼玉県内の女子高にパネルの巡回展示と「高校生として何ができるか」を一緒に考える出張講座を行っています。今回でPart3になる出張講座は、10月20日に埼玉県立春日部女子高校(以下、春女(かすじょ))で行われました。講師は、JICA緒方貞子平和開発研究所の宮原千絵副所長。世界史が大好きで、子どもの頃に中東に興味を持ち大学ではアラビア語を専攻。国連勤務を経てJICA職員としてヨルダン等中東諸国を主軸に活躍。宮原副所長は緒方さんとも一緒に仕事をしたこともあり、「難民支援の仕事は人の生死を左右するもので、その支援を行う組織のトップとして常に決断をしてきた経験を持つ緒方さんは、我々にも仕事に対する厳しさを求める方だと感じた。会議では出席者全員に意見を求めた。」というエピソードを共有。この厳しさの裏側には、今困っている人を助けるためにはどうすればいいかという緒方さんの想いがあったのではないかと当時を振り返りました。

講義を行う宮原副所長

宮原副所長の伝える現場主義

「ヨルダンはどのようなところでしょう?」宮原副所長が紹介したヨルダンの写真には、自然豊かな山々や海、そして遺跡が写っていました。そしてそこに住む人々の様子やイスラム教のラマダン(断食)の話、本などで簡単に知ることができないような内容で、生徒たちは真剣な眼差しで話を聞いていました。
講義の途中、緒方さんに関する動画を生徒のみなさんと一緒に見ました。緒方さんは「現場に行かないとわからない(=現場主義)」と「体系的に問題を理解するためには勉強しなきゃダメ」という両者の重要性について言及していました。宮原副所長からも「1つのことに対し関連する書籍を3冊は読んだ方が良い。また、現在は何でも簡単に調べられるが現場に行かないとその場所のにおい、ほこり、空気、炎がどれだけ熱いのか等は分からない。本で得た情報と肌で感じた情報を合わせることで理解が深まる。そして、好奇心や疑問を持って情報を見ることが大切である。」と伝えました。
講演後、生徒からは「勉強していて嫌になったり逃げたい時がありますが、今やっていること全てが意味のあることで、将来何かしらの形で何かの役に立てると思うと、勉強への心持ちも変わる。」といった感想や「インターネットが普及していく世界の中でいろいろな情報が広がり、その情報から誤解や偏見が生まれることがあるので、自分の目で見て肌で感じることが争いの解決につながることを知った。」という前向きな感想がありました。

ヨルダンについて説明

講義を受けて明日の私へ

講義の最後に、宮原副所長から生徒の皆さんに「明日、何をしてみたいですか?」と問いかけがありました。それに対する生徒の感想をご紹介します。

【春女生からの感想】
・明日の自分が今日の自分を振り返ったときに恥ずかしくない一日を送るということが心に響きました。人生は長いようで短いので、緒方さんのようになにか大きなことを世界に成せなかったとしても振り返ったとき自分だけは自分を認められる生き方をしたいと思います。
・今できること、明日から始められることなど近い将来を常に意識して目標を立てていきたいと考えました。
・事前に緒方さんの動画を視聴して、凄い方だなと衝撃を受けました。その上で講師の方のお話も聞いて行動力と決断力が素晴らしいからこそ、国際問題の最前線に立ち様々な支援を行って世界中の人々からの信頼を得ることができたのだなと思いました。今回の講義を受けて、これまで以上に英語の勉強に力を入れていきたいと思いました。もちろん、語学力だけではないけれどいつか私も国際的な現場に立ち会ってみたいです。

生徒の皆さんにとって勉強に対する気持ちの変化、アクションに移すことの大切さに気付いた機会となりました!

JICA東京では、世界の国々や国際協力に関する様々な教材の提供や国際協力出前講座を実施しています。
ご関心がございましたらJICAホームページまたはJICA埼玉デスクにお声がけください。
次回は、いよいよラスト!浦和第一女子高等学校で行います!

   
◆これまでの出張出前講座の様子

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