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【高専生からのレポート】共創プロジェクト~KOSEN KYORYOKUTAI inモンゴル~その2~

2026.01.26

JICAでは、NGO、大学、民間企業、公的機関など多様なアクターとの「共創」により、社会課題を解決する取り組みを推進しています。JICA東京ではこの取り組みの一環として、高等専門学校(高専)とJICA海外協力隊との共創プロジェクト(KOSEN KYORYOKUTAI)を実施しています。

◆第一弾 マレーシア編
【高専生からのレポート】共創プロジェクト~KOSEN KYORYOKUTAI~ | 日本国内での取り組み - JICA

◆第二弾 モンゴル編~その1~
【高専生からのレポート】共創プロジェクト~KOSEN KYORYOKUTAI inモンゴル~その1~ | 日本国内での取り組み - JICA

モンゴル編では、協力隊の職種別に参加学生からの現地レポートを3部作でお届します。是非シリーズでご覧ください!

長岡高専の参加者の皆さん

KOSEN KYORYOKUTAIとは

このプロジェクトは、海外研修や留学に参加する高専生が、その一部の期間にJICA海外協力隊の活動に参加することで、グローバルエンジニアに必要な国際的な視野を養い、グローバルな課題への意識を高めることを目的としています。高専生にとっては、関心のあるテーマに関連する世界の課題や、それらの解決に向けて世界各地で行われている活動を体験する機会となり、JICAにとっては将来の国際協力人材の育成につながる事業です。

モンゴル編~その2~では、機械工学、日本語教育、作業療法士のJICA海外協力隊の活動に密着した、長岡高専5年生の小林さん、布川さんの活動レポートをお届けします!



【高専生からのレポート】モンゴルのJICA海外協力隊への密着活動

【活動1日目午前(機械工学の隊員へ密着)】
(小林さん)
モンゴル高専の学生たちに「なぜ高専を選んだのか」「将来の目標は何か」と尋ねたところ、皆が真剣に語ってくれたことが印象的でした。さらに、日本語を学び始めてまだ1年ほどしか経っていないにもかかわらず、日本語で会話できる学生もおり、その努力と適応力に強い感銘を受けました。
短い時間ではありましたが、海外の高専生と直接交流できたことは非常に貴重な経験であり、教育現場が抱える課題と可能性の両方を肌で感じることができました。

隊員とエンジンの仕組みについて語り合いました

英語で自分の研究テーマであるVRについて説明しました

【活動1日目午後(日本語教育の隊員へ密着)】
(小林さん)
午後は日本語教育隊員に密着し、モンゴル科技大高専5年生の日本語の授業を見学しました。授業内容はディベートの練習で、テーマの一つに「外国語を早く始めることは良いことか」という議題がありました。難易度の高いテーマでしたが、学生たちは真剣に議論に取り組み、活発に意見を交わしていました。また、隊員と共に教えているモンゴル人の日本語教師が、「授業の進め方や指導法を通してたくさんのことを学んでいる」と感謝の言葉を述べており、隊員が現地教育に大きく貢献している様子が印象的でした。

5年生の授業に参加しました

授業について隊員へ質問をしている様子

【活動2日目(作業療法士の隊員へ密着)】
(布川さん)
2日目は、リハビリテーション病院で活動する作業療法士隊員に密着しました。脳卒中や骨折、交通事故後の患者が多く、水・電気・鍼・泥など多様なリハビリが行われていました。モンゴルでは比較的大きな病院でしたが、職員が少なく業務が回らない状況で、作業療法士も在籍していませんでした。入院期間は10日程度と短く、限られた時間で成果を求められる環境でした。家族が患者と共に入院して介助を行っており、看護師や介護士の負担を軽減していましたが、施設内には段差が多く、バリアフリーの概念は十分に浸透していませんでした。隊員は限られた条件の中で現地の患者さんの治療にあたっていました。
教育と医療という異なる現場を通して共通して感じたのは、「人を育てることこそ国際協力の本質である」ということでした。物的支援よりも、現地の人々が自ら考え行動できる力を育むことが、持続可能な発展に直結するのだと感じました。2日間の経験を通じて、国際協力とは“教えること”ではなく、“共に成長すること”であると強く実感した訪問でした。

病院内を案内していただきました

泥治療の設備

モンゴル語の教科書を見せてもらいました

隊員活動への密着を通じての学びと気づき

(小林さん)
モンゴルで感じた社会課題は、専門職人材の不足でした。特に医療や教育などの分野では、知識を持つ人が限られており、指導体制の構築が難しい現状がありました。2日目に密着した作業療法士隊員は、病院に作業療法士が一人もいない環境で活動していました。教える相手がいない中でも、理学療法士の同僚に手の作業療法を教えるなど、身近な人から少しずつ理解を広げる工夫をされていました。また、作業療法の学会に参加して他の病院の作業療法士と交流を深め、自身の職場に招いて勉強会を開くなど、「人の輪を広げてつなげる」ことを通して現場を変えていく姿勢が印象的でした。
この経験を通じて、JICA 海外協力隊の活動は単なる技術指導ではなく、現地の人々と信頼関係を築き、持続的に学び合う仕組みを作ることに重きが置かれていると感じました。日本では当たり前のようにある専門職の連携や教育体制も、国によっては一から築く必要があります。限られた環境の中で、自ら動き、仲間を増やし、地域に根づく支援を続ける協力隊の姿勢から、私も「人を育てる支援とは何か」を改めて考えさせられました。

(布川さん)
リハビリテーション病院を訪問し、モンゴルの医療現場が抱える課題を実感しました。病院は国内でも比較的大規模でしたが、職員が少なく業務が十分に回っていませんでした。特に作業療法士の人数が極めて少ないことが大きな課題で、患者の身体機能の回復だけでなく、生活動作の訓練や社会復帰支援が十分に行えない状況でした。また、患者の衣料が行き届いておらず、衛生面や快適さの確保が課題であると感じました。
そのような環境の中で、作業療法士隊員は限られた設備と人員を最大限に活かし、現地スタッフと協力してリハビリを行っていました。特に印象的だったのは、理学療法士に作業療法の方法を教え、協力して患者支援を行っていたことです。職種を越えて知識を共有し合い、チームとして医療の質を高めようとする姿勢に感銘を受けました。
この訪問を通して、技術の提供だけでなく、人と人との協働によって支援を根付かせることが国際協力の本質であると学びました。

(右・左)モンゴル高専の学生との交流

プログラムに参加した所感・今後に向けて

(小林さん)
今回のモンゴルでの活動は、これまでのどの経験よりも刺激的であり、自分の価値観を大きく広げてくれるものでした。現地の学生や先生方、そして JICA 海外協力隊の方々と交流する中で、限られた環境の中でも工夫しながら前向きに取り組む姿勢に強く感銘を受けました。特に、VR の説明やワークショップを通して、モンゴルの学生が興味を持って積極的に学ぶ姿を間近で見ることができたのは大きな喜びとなりました。一方で、言葉の壁や文化の違いにより、自分の考えを思うように伝えられないもどかしさも感じました。しかしその経験を通じて、国際的に協力することの難しさと同時に、相手を理解しようとする姿勢の大切さを実感しました。また、教育設備や人材が限られている現場を見て、私の研究テーマである「VR を用いた技能訓練システム」が、こうした環境でも教育支援に役立てる可能性を再確認できました。実際に VR を体験したモンゴルの学生が興味を示し、積極的に質問してくれたことは、自分の研究に対する自信と新たな課題意識を与えてくれました。活動期間は短く、もっと現地に滞在して多くを学びたいと強く感じました。

(布川さん)
モンゴルでの活動を通して、現地の生活や文化を肌で感じることができ、とても貴重な経験になりました。食事では羊肉がとてもおいしく印象に残りました。町中では牛が道路を歩いている姿を見かけ、人と動物が共に暮らす生活を感じました。一方で、交通量が非常に多く、道路の舗装も十分ではないため、車の揺れが激しいこともあり、インフラ面の課題を実感しました。街には建設中のビルが多く、経済成長の勢いを感じる一方で、都市整備はまだ発展途上であるように思いました。また、日本語を話せるモンゴルの方が想像以上に多く、日本とのつながりの強さを感じました。JICA 協力隊の皆さんに密着する中で、異なる文化の中で生活し、現地の人々と信頼関係を築きながら活動する姿に強く感銘を受けました。彼らの柔軟な対応力や継続的な努力を目の当たりにし、私自身も国際的な視点で物事を考える力を身につけたいと感じました。
今後は、日本で留学している外国人の方と関わる際に、相手の立場を理解し、わかりやすく説明できるような伝え方を意識していきたいと思いました。

VRデモンストレーションの様子

羊肉とジャガイモの料理

モンゴル技科大高専の構内

小林さん、布川さん想いのこもった素敵なレポート、ありがとうございます。

次回の「モンゴル編~その3~」では日本語教育、障害児・者支援隊員編~をお届けします。
是非、お楽しみに!


モンゴルでの活動の様子をもっと知りたい方は、JICA東京のInstagramにて動画で紹介しています。こちらも是非ご覧ください。

参照リンク:JICA東京instagram

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