jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【連載】日系社会研修 帰国研修員/新規プロジェクトの進捗報告

2024.12.24

2022年度日系社会研修「地域保健医療福祉-病院から地域へ多職種によるチーム医療福祉」コースにブラジルから参加した佐藤ルシアさん。佐藤さんが新規に立ち上げた「絆プロジェクト」の第3回目の進捗報告が届きました。今回はそのパート2です。

過去記事のアーカイブはページ下部からご覧ください。

これまでの活動を振り返って

これまで活動を続けてきた中で、いろいろな事が見えてきました。プラスな面は、まず一番に、参加者の人数が安定してきたことです。そして、スタッフの皆さんの結束力はもちろん、大半がどんな役割でも無理なくこなせるようになり、頼もしくなっています。毎回の集会後の反省会では、必ず全員が発言し、お互いに率直で的確な意見を出し合えるようになりました。最近の集会では、できるだけ高齢者の皆さんとのコミュニケーションを大事にし、どの様なニーズがあるかをアンケート用紙や会話を通じて見出すことに力を入れています。これからはできる限り、皆さんの意見も参考にしながら、新たな行事を数多く実施することを考えています。

【画像】

【画像】

【画像】

その反面、浮き彫りになった課題もあります。一番の課題としてスタッフが思っているのは、以前は喜んで参加していた皆さんも参加がなくなってしまったことです。理由としては、集会日に会場まで来る術がないということでした。また、多くの高齢者は、軽度のうつ病のような疾患を抱えており、集会当日、気分的に家から出られなくなるというような問題も少なくないことを知りました。我々の予想ができない問題もあるのだと、改めて勉強させてもらっているところです。

集会を重ねるごとに参加者の皆さんとも距離が縮まり、皆さんも少しずつ心を許してくれて、プライベートな話もしてくれるようになりました。これらの会話の中で得た気になる情報は反省会時にスタッフ間で共有し、できるだけ参加者の皆さんが気持ちよく、また楽しく集会に参加できるために繋げていくという習慣ができてきました。スタッフの皆さんの成長を感じ、嬉しく思います。

【画像】

【画像】

【画像】

プロジェクトのこれから&スタッフ紹介

さて、今年もあと残すところ、わずかとなってきました。11月には資金調達の一環として、バザーなどを行いました。そして12月には、参加者のご家族も招待し忘年会を予定しています。今から皆で楽しみにしているところです。

「絆プロジェクト」がここまで活動を続けてこられたのも、やはりスタッフの皆さんあってのことです。そこで、今回はプロジェクト当初から本当に頑張ってくれている双子の野田姉妹を簡単に紹介させていただきます。

2人は発足当初から、集会で行うレクレーション用の用具を、リサイクル品を使いながら丁寧に作ってくれています。また集会では、レクレーションの指導などを率先して行ってくれており、これは今では参加者の皆さんにとって人気のコーナーとなっています。

【画像】

写真左がエミリ(恵美利)・ジェシカさん(通称:ミーちゃん)で、右がメグミ(恵美)・ジュリアーナさん(通称:メグちゃん)です。ミーちゃんは、マリンガ州立大学体育学科を卒業し、現在は作業療法士を目指し、大学に通っているほか、子供の発達推進をテーマに大学院にも通っています。勉強熱心で、日中はマリンガ日本語学校に勤務し、週末はソフトボールの選手及び監督をボランティアで行っています。メグちゃんは、同じくマリンガ州立大学薬学部を卒業し、現在は調剤薬局にて計量部門のスーパーバイザーをしています。週末にはソフトボールの選手・監督をボランティアで行っています。本当に優秀な姉妹なので、このプロジェクトにとってかけがえのない人材的な宝物です。

アーカイブ記事はこちらから

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ