ジェンダーボンド(2021年9月発行)

JICAは、そのミッションである人間の安全保障と質の高い成長の実現に向けて、開発途上国における「ジェンダー平等と女性のエンパワメント」推進に取り組んでいます。新型コロナ危機によって女性・女児の人権や公平性は更に損なわれています。JICAは、新型コロナ危機を受けて一層浮き彫りとなったジェンダー課題に対する取組みを強化するため「ジェンダーボンド」を2021年9月に発行しました。本債券の主な特徴は下記をご覧ください。
なお、本債券は、従来のJICA債同様、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)「ソーシャルボンド」の特性に従った債券です。

ジェンダーボンドの特徴

資金使途

有償資金協力事業のうち、JICAが準拠する国際的なジェンダー事業分類(注)に合致する、1)ジェンダー平等や女性のエンパワメントを主目的とする事業、2)ジェンダー平等や女性のエンパワメント推進に資するコンポーネントを組み込んでいる事業、に充当する予定です(但し、石炭火力発電事業への出融資を除きます)。

(注)経済開発協力機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の基準に準拠

事業評価・選定プロセス

有償資金協力事業は全て、国際標準に基づく評価項目によって審査され、日本政府・外部専門家を交えた透明性のある評価プロセスを経て実施されています。それら事業のうち、上記「ジェンダーボンド」の資金使途に合致する事業を選定します。

資金管理

有償資金協力勘定に組み入れられ、会計検査院、会計監査人、監事による検査・監査がおこなわれます。

レポーティング

資金充当結果及び資金充当対象事業のインパクトは、以下のインパクトレポートをご覧ください。

関連する動き

JICAは、ジェンダー平等や女性のエンパワメントに資する投資であるジェンダーレンズ投資を促進していくための国際的なプラットフォームに参加しています。2018年6月にG7各国の開発金融機関とともに2X Challenge(2X チャレンジ:女性のためのファイナンス)を設立し、2022年2月には、その拡大版プラットフォームである2X Collaborativeへ加盟しました。JICAは途上国の女性たちの活躍に向けた支援を一層強化しています。