JICA緒方研究所

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ベトナムとタイで環境アセスメントについての研究成果を発表—上條研究員

2017年8月21日

2017年8月10~11日にベトナムのダナンで開催されたベトナム-日本-韓国-中国環境アセスメント会合にJICA研究所の上條哲也研究員が参加し、研究成果を発表しました。同会合には、4カ国から環境アセスメント分野の研究者や実務者約100人が参加し、38の発表が行われました。

上條研究員は、「統合的管理と持続可能な開発」についてのセッションに参加し、「主成分分析を用いた代替案の協議」について発表。現行の手法の問題点を指摘し、簡易な代替案分析の手法として主成分分析の有効性を示しました。主成分分析を用いることで利害関係者が代替案分析を理解することが容易になり、代替案の協議が改善することが期待されます。

質疑応答では、主成分分析と定量的手法についての質問が挙がり、主成分分析は簡易な統計手法であり、多くの項目を少数の主成分に集約することや、多くの代替案と評価項目を分析するためには定量的手法が適当であることを説明しました。

タイのアジア工科大学で研究発表を行う上條研究員
タイのアジア工科大学で研究発表を行う上條研究員

また、8月15日には、上條研究員がタイのバンコクにあるアジア工科大学を訪問し、都市環境管理コースの教官や大学院生約30人を前に「主成分分析を用いた代替案の検討と住民協議の改善」について研究発表を行いました。

住民協議の協議議事録を計量テキスト分析し、代替案の協議と住民参加意識の間に正の相関関係があることを示しました。そして、代替案分析に主成分分析を用いることにより、住民協議が改善する見込みがあることを説明しました。参加者からは分析手法について質問があり、テキストデータを定量分析する手法であることを説明しました。

今回の2カ国での研究発表を通じて、研究成果のアウトリーチ活動と研究者や実務者とのネットワーク形成を進めることができました。

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