JICA緒方研究所

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第5回アジアシンクタンクサミットでCSISとの共同研究の成果を発信

2017年11月30日

CSISとの共同研究報告書を手に紹介する鈴木次長(中央)

2017年11月22、23日に、シンガポールにて第5回アジアシンクタンクサミット(ATTS)が開催され、JICA研究所からは鈴木薫次長が参加しました。

今回のテーマは「シンクタンク・公共政策・ガバナンス(Think Tanks, Public Policy and Governance)」。現在、アジア地域では技術開発やその適用が急速に進んでいることで社会全体に大きな変化が起き、その中で政策提言や社会の将来を形作るといった役割を担うシンクタンクの重要性が増加しています。そこで、①人的資本開発、②中小企業振興、③官民連携によるインフラ投資、④気候変動対策、⑤技術活用を通じた研究能力・財政・デジタル経済への貢献、⑥水の安全保障、⑦中国の経済改革と世界経済への影響、⑧戦略的広報の8つのセッションで議論が行われました。

鈴木次長は⑤技術活用を通じた研究能力・財政・デジタル経済への貢献のセッションに参加し、2017年7月に発刊した米国戦略国際問題研究所(CSIS)との共同研究報告書『Harnessing the Data Revolution to Achieve the SDGs』を紹介しました。同報告書には、人工衛星や地理情報システム(GIS)、スマートフォンやGPSの技術を活用したラオスとミャンマーでのJICAの協力事例がケーススタディーとして取り上げられています。さらに鈴木次長は海外でのパートナーとの共創の有益性にふれたほか、開発途上国での情報アクセス向上には通信や電力といった基礎インフラの整備や統計能力の強化が必要であると言及しました。

今回のATTSにはアジア地域のシンクタンク以外にも、ドイツ、フランス、イタリア、米国、オーストラリアのシンクタンクも参加し、アジアの経済動向への関心の高さが伺えました。計22カ国から50機関以上のシンクタンクが一堂に会する場で、世界やアジア地域の潮流を把握し、JICA研究所の研究成果を発信した良い機会となりました。

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