JICA緒方研究所

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モロッコで関心が高まる中国の対外援助について講演—北野所長ら

2018年3月19日

セミナーで中国による対外援助について説明する北野所長(右)

2018年3月4~8日にかけて、JICA研究所の北野尚宏所長と川島真客員研究員(東京大学教授)が研究プロジェクト「新興国の開発協力とその影響に関する研究」の活動の一環として、モロッコに出張しました。

モロッコは、国王や政府の丁寧な対応により2011年のいわゆる「アラブの春」を乗り越え、政治的安定と順調な経済発展を今日まで続けています。昨今は日本企業の進出も増え、その数は60社近くとなっています。また、その立地から欧米、中東、サブサハラアフリカを結ぶハブ/ゲートウェイとしての役割も果たしており、地政学的にも重要な国です。昨年、モロッコは中国が掲げる一帯一路構想の協力国となったこともあり、工業団地開発などの分野で中国企業も同国で活発な活動を開始しています。

北野所長と川島客員研究員は、JICAモロッコ事務所とともに、首都ラバトやカサブランカでの関係者との面談に加えて、地中海と大西洋に面する重要な製造・輸出拠点である、北部の港湾都市タンジェを訪問。タンジェ・メッド港や自由貿易区、モロッコの民間銀行と中国企業が進める新都市「タンジェ・テック・シティ」の開発予定地などを視察しました。

また、3月7日には、JICAモロッコ事務所で中国による対外援助についてのセミナーも開催しました。北野所長は、中国の対外援助の現状と課題について、対外援助推計に関する研究成果などを織り交ぜながら説明し、川島客員研究員がコメンテーターを務めました。午前のセミナーには国連機関、欧米の大使館・開発援助機関、モロッコの研究機関が、午後のセッションには在モロッコ日本大使館、JETROラバト事務所、日本企業の関係者が各々参加して意見交換が行われ、同国における中国の動向に対する関心の高さがうかがえました。

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