JICA緒方研究所

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GDI年次総会でボスニア紛争後の民族融和支援からの教訓を発表—伏見次長

2019年11月12日

2019年11月5、6日、Global Delivery Initiative (GDI) の年次総会「Challenge Accepted: Delivering Services in Fragile, Conflicted-affected, and Transitional Environments」がチュニジアの首都チュニスで開催され、JICA研究所からは伏見勝利次長らが参加しました。

GDIは、世界銀行のリードのもと、開発協力機関などが参加する国際開発コミュニティーのナレッジプラットフォーム。開発プロジェクトを実施する際のさまざまな課題("delivery challenge")を類型化し、どうすればうまく機能するのか体系的な分析を進めながら知見を共有しています。本総会は、基調講演やパネルディスカッションなど4つの全体セッションと、計17の分科会セッションにより構成され、国際機関や政府機関、二国間開発援助機関、シンクタンク、NGO・NPOなどの開発実務者が約80人参加しました。

ボスニア紛争後の民族融和支援プロジェクトを紹介したJICA研究所の伏見勝利次長

伏見次長は分科会セッション「Contending with Highly Complex, Fluid, and Opaque Political Dynamics」で、JICAのボスニア紛争後の民族融和支援プロジェクトを事例としたプレゼンテーションを行いました。

本プロジェクトは、ボスニア紛争下で約8,000人ものボシュニャク住民が虐殺されたスレブレニツァ市において、農業支援を通じて民族融和と紛争復興を進めた平和構築支援で、2019年秋にJICA研究所の「プロジェクト・ヒストリー」として書籍化されています。プロジェクトが開始された2005年当時、セルビア住民とボシュニャク住民との隔たりは依然大きく、「融和」という言葉自体がタブーであり、またボスニア側の政治的コミットメントが得られにくい状況にありました。伏見次長は、本プロジェクトが「農業支援」であった点に言及し、JICA専門家が現地の人々を巻き込みながら、農業支援を通じて「民族融和」を進めた好事例として紹介しました。セッション参加者とプロジェクト実施における課題を共有するとともに、日本の知見を発信する場となりました。

ナレッジシェアリングのプラットフォームであるGDIの年次総会に参加することで、世界中の開発実務者に知的貢献を行い、同時に他組織の知識と経験を学ぶ有益な機会となりました。

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