JICA緒方研究所

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第7回グローバル高等教育フォーラムで研究プロジェクト「途上国における海外留学のインパクトに関する実証研究」の成果を発表

2021年10月7日

JICA緒方研究所の萱島信子シニア・リサーチ・アドバイザーらが研究成果を発表

2021年7月、第7回グローバル高等教育フォーラムがオンライン(マレーシア科学大学とマレーシア教育省の共催)で行われました。7月28、29日に行われたアカデミックカンファレンスでは、JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の研究プロジェクト「途上国における海外留学のインパクトに関する実証研究-アセアンの主要大学の教員の海外留学経験をもとに-」に参加する研究者が研究成果の一部を発表しました。

JICA人間開発部の梅宮直樹次長、JICA緒方研究所の萱島信子シニア・リサーチ・アドバイザー、インドネシアのバンドン工科大学(Institut Teknologi Bandung:ITB)のYudi Soeharyadi教授は、ITBの教員を対象に行ったアンケート調査データの初期分析結果を発表しました。この分析では、留学経験者と非留学経験者の比較から、大学教員の留学経験は教員としての能力や意識のみならず、教材開発、学術論文・書籍の発刊、国際的な共同研究への参画、当該国政府の政策立案への貢献といった大学の教育、研究、社会貢献、大学運営に関する36の活動・項目のうち26の活動・項目で両グループの平均値に統計的に有意な差が確認され、留学経験が正のインパクトを及ぼしていることが示唆されました。

さらにマレーシア科学大学(Universiti Sains Malaysia: USM)の研究チームを代表して、マレーシア科学大学高等教育研究所のMagdalene Ang研究員が「Exploring the Impact of Studying Abroad:The USM Perspective」と題し、USMの事例を発表しました。Magdalene研究員はUSMの教員を対象にした質問紙調査データの初期分析結果から、USMでもITBと同様に、大学教員の留学経験は、さまざまな面で影響を及ぼしていることが確認されたことを報告しました。

質疑応答では、各大学や国の特性、留学先国による違いなどについて、幅広く議論が交わされました。本研究の主査である萱島シニア・リサーチ・アドバイザーは、「今後の研究課題として、どのような要素が留学活動のインパクトの発現に影響を及ぼしているのかについても調べたい」と述べました。

同研究プロジェクトでは、今回の初期的な分析結果を基に、研究者チームや調査対象大学とも意見交換を行いつつ、より詳細に分析していく予定です。

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