研究プロジェクト「途上国における海外留学のインパクトに関する実証研究」の研究会を開催

2022.10.06

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)は、2022年9月9、10日に、研究プロジェクト「途上国における海外留学のインパクトに関する実証研究—アセアンの主要大学の教員の海外留学経験をもとに—」の研究会をJICA市ヶ谷ビル(東京)で開催し、アセアンの対象大学の研究者に加えて、JICA緒方研究所の萱島信子シニア・リサーチ・アドバイザー、杉村美紀客員研究員(上智大学教授)、黒田一雄客員研究員(早稲田大学教授)、北村友人客員研究員(東京大学教授)、上智大学グローバル教育センターの梅宮直樹教授らが参加しました。

データの分析結果を共有し、論文の執筆方針などを議論

この研究プロジェクトは、海外留学が開発途上国に与えたインパクトを明らかにするために、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ベトナムで知識基盤形成の拠点となり、指導的人材の育成に重要な役割を果たす主要な大学を取り上げて、教員の海外留学がそれらの大学の成長に与えたインパクトを分析するものです。分析にあたっては、複数の送り出し国、大学、渡航先国、渡航時期、教員を取り巻く環境などの要因がインパクトの発現にどのように影響するのかについての量的分析を行い、さらに特定大学の発展の歴史の中で教員の海外留学が果たした役割を明らかにするための事例研究にも取り組んでいます。日本人研究者と対象国の研究者が協力して2018年から開始したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、質問紙によるデータ収集は多くの困難に直面しました。しかし、この研究プロジェクトのメンバーの努力と対象大学の協力により、2022年の夏に主要なデータ収集を終えることができました。

そこで、本格的なデータ分析と論文執筆を開始するこのタイミングで、アセアン各国の研究者13人と日本人研究者9人が東京に集合し(一部オンライン参加)、収集したデータの初期的分析結果を共有し、今後の分析方針や論文の執筆方針を議論することを目的に、研究会を開催しました。これまで質問紙調査により収集された教員の留学経験と留学のインパクトに関するデータ(約3,300人)や、大学の教員養成の方針や留学経験の活用についてのインタビューデータ(約100人)などが共有されるとともに、その初期的な分析結果について熱心な議論が交わされました。

アセアンの対象大学やJICA緒方研究所の研究者が参加

主な論点は以下の3つです。

今後、これらの論点について、データのさらなる分析、一部の追加データの収集、先行研究調査などを行い、その研究成果を書籍にまとめる予定です。

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