研究プロジェクト 「インド太平洋の平和と開発の新ダイナミクス-途上国の中国への対処-」の研究会を開催

2022.12.12

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)は、2022年10月21、22日に、研究プロジェクト「インド太平洋の平和と開発の新ダイナミクス-途上国の中国への対処-」の研究会を東京大学山中寮(山梨県)で開催しました。JICA緒方研究所の高原明生研究所長、麻田玲研究員、今井夏子リサーチ・オフィサー、北野尚宏客員研究員(早稲田大学教授)、志賀裕朗客員研究員(横浜国立大学教授)に加え、事例国研究を担当する7名の共同研究者が参加しました。

研究会参加者たち

この研究プロジェクトは、インド太平洋諸国が、米中対立やロシアによるウクライナへの軍事侵攻など、大国間競争の影響を大きく受けながらも、自国の持続的開発と平和を実現するため、どのように中国をはじめとした大国との二国間関係を構築しようとしているのかを明らかにすることが目的です。伝統的な国際政治学や国際関係論の視点では、大国と小国の関係は、主として大国が支配していると想定しがちです。

しかし、実際に中国とインド太平洋諸国の二国間関係をみると、小国は大国のいいなりになっているわけではなく、様々なアクターが関与するなかで複雑かつダイナミックに変動し続けています。本研究の分析では、インド太平洋諸国が対中国外交において自律的にふるまう意思と能力(エージェンシー)に着目し、中国との二国間関係に影響を及ぼす国内的・国際的要因の解明に焦点を当てています。

研究対象となる国として、フィリピン、ラオス、スリランカ、バングラデシュ、ウズベキスタン、セルビア、ザンビアの7か国を選定。各国の事例研究を担当する以下7名の共同研究者が研究会に参加しました。

(対面での参加)
クイック・チェン-チュウィー(Kuik Cheng-Chwee)教授
マレーシア国民大学マレーシア国際問題研究所:ラオス担当

アルヴィン・カンバ(Alvin Camba)助教
デンバー大学ジョゼフ・コーベル国際研究大学院:フィリピン担当

チュラニー・アッタナーヤケ(Chulanee Attanayake)リサーチフェロー
シンガポール国立大学南アジア研究所:スリランカ担当

ライルファー・ヤスミン(Lailufar Yasmin)教授
ダッカ大学国際関係学部:バングラデシュ担当

(オンラインでの参加)
ティムール・ダダバーエフ(Timur Dadabaev)教授
筑波大学人文社会系:ウズベキスタン担当

ドゥラガーナ・ミトローヴィッチ(Dragana Mitrovic)教授
ベオグラード大学政治科学部:セルビア担当

ゴッドフレイ・ハンプワィウェ(Godfrey Hampwaye)上級講師
ザンビア大学自然科学学部地理・環境学科:ザンビア担当

この研究は2022年7月から始動し、上記7か国を担当する共同研究者全員が、今回の研究会でその成果を発表しました。その報告を踏まえ、今後の分析をどのように深めていくべきか、事例国の分析結果をどのような視点から横断的に比較すべきかについて、研究チーム全体で活発に議論しました。

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