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「アフリカにおける産業政策と経済転換」書籍刊行を記念し、国連総会サイドイベントを開催

2015年10月6日

JICA研究所とアメリカ・コロンビア大学政策対話イニシアティブ(Initiative for Policy Dialogue: IPD)の共同研究の成果をまとめた書籍「Industrial Policy and Economic Transformation in Africa」がこのほど出版されました。この刊行を記念したイベント「産業開発とアジェンダ2063の実施を通じたアフリカの構造転換」が2015年9月28日、アメリカ・ニューヨークで開催されました。イベントは国連総会のサイドイベントとして企画され、2016年にケニアで開催される第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)のプレイベントとしても位置付けられました。

 

スティグリッツ教授
スティグリッツ教授によるスピーチ

イベントは、JICA、IPDなどが共催。ジョセフ・スティグリッツIPD代表(コロンビア大学教授)や、ヘレン・クラークUNDP総裁などが登壇しました。JICAからは田中明彦理事長(当時)、JICA研究所の畝伊智朗所長、島田剛招聘研究員(静岡県立大学准教授)らが参加しました。

 

田中理事長は冒頭の基調講演で、「構造転換促進」と「強靭性強化」のためにアフリカの産業開発が重要であること、アジアの経験をアフリカへ応用する可能性などについて触れました。

 

ジョセフ・スティグリッツIPD代表は基調講演の中で、まず、アフリカ開発におけるTICADの意義を高く評価しました。そのうえで、書籍の内容に触れ、細野昭雄JICA研究所シニアリサーチアドバイザーと島田招聘研究員が本書で執筆した章にふれつつ、アフリカにおける産業政策の重要性、構造調整政策の問題点を指摘しました。さらに、産業化の成功例である日本には、学ぶべきことが多いと述べました。

 

島田招聘研究員
島田招聘研究員による発表

畝所長がモデレーターを務めたパネルディスカッションでは、本書の編者の一人であるアクバル・ノーマンIPD上席研究員、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)計画調整庁のイブラヒム・アサネ・マヤキ長官、エチオピア・カイゼン機構のゲタフン・タデッセ所長、島田招聘研究員らなどが今後のアフリカの産業開発の方向性、TICADの役割などについて議論しました。その中では、取り組みの好事例として、エチオピアの年10%を超える成長の継続と同国のカイゼンへの取り組みとJICAの支援に注目が集まり、日本の産業化の経験、技術力、人材への投資と教育などを吸収すべきとの指摘が相次ぎました。

<関連リンク>

田中理事長が国連サミット関連会合にてJICAの貢献を表明:様々な世界の課題やアフリカの開発等について議論

 

刊行物のページ Industrial Policy and Economic Transformation in Africa

 

 

日時2015年9月28日(月)
場所米国、ニューヨーク



開催情報

開催日時2015年9月28日(月)
開催場所米国、ニューヨーク

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