『Rice Green Revolution in Sub-Saharan Africa』

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本書は、サブサハラ・アフリカで稲作の「緑の革命」の推進に向けた効果的な戦略を探ったオープンアクセス書籍です。新たな稲作技術導入の決定要因やその生産性向上への効果について、この地域の7ヵ国で10年以上にわたり調査を行い、得られたデータの綿密な分析に基づいて編集されました。

本書は同じテーマを扱った2冊の既刊書籍『An African Green Revolution』(2013年刊行)と『In Pursuit of an African Green Revolution』(2016年刊行)の続編にあたります。前者は、より進んだアジアの稲作技術の移転可能性の高さから、コメがサブサハラ・アフリカで最も有望な穀物となったことを示しています。また後者は、稲作技術の研修が技術普及に有効であり、サブサハラ・アフリカのコメの単収を大幅に引き上げたことを証明しました。

シリーズ3冊目となる本書では、稲作研修が生産性に重要かつ持続的な効果を及ぼすことを示しています。また、パネルデータを用い、研修を行った農家から周りの農家に波及効果が生じることも実証しています。さらに、稲作の土地生産性向上における機械化の重要性や、大規模かんがい計画で想定される投資対効果の評価、精米業者が精米の品質向上に果たす重大な役割に関し、新たな分析結果を盛り込みました。一連の実証結果は、サブサハラ・アフリカの稲作における本格的な「緑の革命」の実現に向け、明確な道筋を示すものです。

著者
大塚 啓二郎、 真野 裕吉、 高橋 和志
発行年月
2023年3月
出版社
Springer Singapore
言語
英語
ページ
309ページ
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト