Development Challenges in Africa Towards 2050

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Development Challenges in Africa Towards 2050

第5回アフリカ開発会議(TICAD V)へ向け、JICA研究所は2050年のアフリカにおける経済・社会構造を予測した報告書を公開します。これは当研究所が米センテニアル社に研究委託し、共に取り組んできたものです。2050年は一見まだ先のことと思われがちです。しかし、約40年後により良い経済・社会の実現を目指すのであれば、アフリカ諸国の政府および開発パートナーは今、それへ向けた具体的な政策を展開し始めなければなりません。

同報告書では、計量モデルを用いて経済、人口、貧困等の長期的な見通しを立て、3段階のシナリオを描いています。最良のシナリオを想定した場合、2050年には一人当たりの年間所得は17,000ドルと予測される一方、最悪のシナリオでは6,000ドルに留まることが推計されています。同報告書はこうした見通しを示した上で、どのような政策を今実施することで、より良いシナリオへ推移を近づけていけるかを考えるきっかけを提供することに重きを置いています。

同報告書はいくつかの重要課題を示しています。2050年へ向けてアフリカは、人口の増大と都市化の加速化に直面する見通しです。それ故、余剰労働力を吸収し得るだけの職を継続的に創出していくことが経済・社会秩序の安定に不可欠な要素となり得ます。現在の化石燃料・鉱物資源に依存するアフリカ経済の構造は、資本集約的であるため、多くの職の創出は見込めません。経済構造の転換はアフリカが持続的に成長を続ける上で重要な課題となる見通しであり、民間セクターの役割が期待される分野でもあります。各国は経済構造をより持続的なものへ転換する一方、民間セクターが活躍できる市場・投資環境の整備を行い、教育・保健サービスの拡充を通じた人的資本の形成も計画的に行うことが期待されます。

連携案件(他機関との共同研究)
発行年月
2013年5月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #経済政策