Developing Textbooks to Improve Math Learning in Primary Education: Empirical Evidence From El Salvador

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1990年以降、開発途上国における初等教育就学率は急速に向上しましたが、教育の質は長年停滞してきました。教授・学習において、教科書はカリキュラム、教員、生徒をつなぐ重要なものです。

本研究は、エルサルバドルでのランダム化比較試験を通じ、算数学習の改善のために入念に設計された教科書の配布を含む介入パッケージに関し、学習成果などへの効果を推定しました。本研究では、小学2年生を対象とし、2年間にわたって調査を行いましたが、その間の学習成果の向上を把握するため、項目反応理論(Item Response Theory: IRT)を用い、小学2年生と3年生の学年末の算数テストのスコアを比較可能な形に換算しました。

分析の結果、調査1年次に関し、介入の平均効果は、IRTスコア0.49標準偏差と推定されます。調査2年次には、対照群に対しても介入が開始されましたが、1年間のみの介入を受けた対照群と比較して、2年間の介入を受けた介入群への効果は、0.13標準偏差と推定されます。この結果は、介入群において、調査1年次の算数の学習成果向上をもとに、調査2年次の算数学習の進展が図られたことを示しています。

本論文は、2022年6月にThe University of Chicago Press の発行するEconomic Development and Cultural Changeにより受理されたものです。

著者
丸山 隆央、 黒崎 卓
発行年月
2022年6月
出版社
The University of Chicago Press
言語
英語
ページ
67ページ
関連地域
  • #中南米
開発課題
  • #教育