JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.142 Untangling Disability and Poverty: A Matching Approach Using Large-scale Data in South Africa

障害と貧困は密接かつ複雑に関係していると考えられ、また障害自体複雑な概念であることから、障害と貧困の関係を解明することは容易ではない。本研究は、マッチング法と南アフリカの大規模家計データを用いて、障害者と非障害者の多元的貧困状態を比較し、その差をより精緻に推定することを目的としている。また、matching-based decomposition methodと呼ばれる手法により、両者の貧困状態の差を障害によって説明できる部分とそれ以外の要因で説明できる部分に分解した。その結果、障害以外の観測可能な要因をコントロールしたうえでも、障害者は非障害者に比べて、多元的貧困という観点でより不利な状況に置かれていることが確認された。両者の貧困状態の差は、知的障害や複数の障害を持っている人、成年男性、黒人、カラード、農村地域住民のグループでより顕著であった。また、両者の貧困状態の差は、年齢が低い層では主に障害によってその大部分を説明できるのに対して、年齢が高い層では障害だけでなく他の要因によっても説明されることが分かり、複合差別の存在が示唆される結果となった。

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