No.206 Integrative Economic Evaluation of an Infrastructure Project as a Measure for Climate Change Adaptation: A Case Study of Irrigation Development in Kenya

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気候変動適応が政策問題として認識されてきたことを反映し、特に気候変動ファイナンスの文脈において、気候変動適応関連の公共投資に関する定量経済評価のニーズが高まっている。灌漑は農業における水供給を増加させ安定させるという役割を持つ観点からは、潜在的に気候変動への適応手段となりうるが、この適応評価に関し、多様なモデルを統合したシミュレーション分析を行った上での灌漑の有効性に関する経済分析はほとんど行われていなかった。この背景を踏まえ、我々はケニアの灌漑開発プロジェクトに関するケーススタディーを行い、複数のシミュレーションモデルを併用しつつ気候変動適応手段としてのプロジェクトの効果を分析した。結果が示すところとしては、降水量トレンドの不確実性によらず、気温上昇の効果により米の収量は全体的に下がる傾向にあるが、灌漑開発によってこの収量減少が抑制される。つまり灌漑は気候変動適応手段として有効であるということが示唆される。

キーワード: 気候変動適応、経済評価、灌漑、農業、ダウンスケーリング、流出解析、アフリカ

著者
成田 大樹佐藤 一朗、 小川田 大吉、 松村 明子
発行年月
2020年3月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
  • #気候変動対策
研究領域
地球環境
研究プロジェクト