JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.55 Impact of a shade coffee certification program on forest conservation: A case study from a wild coffee forest in Ethiopia

本論文は、エチオピアにおいてJICAが実施した「ベレテ・ゲラ参加型森林管理プロジェクト」の一環として住民が森林コーヒー認証を取得したことが、森林保全に及ぼした効果を定量的に推計したものである。森林コーヒーとは森林に自生するコーヒーであり、国際NGOによる認証を受ければ、より高い価格で販売することができるため、認証を受けることで森林を保護するインセンティブが働く可能性がある。人工衛星画像を用いて対象地域の森林の変化を観測し、そのデータを基に、傾向スコア法(propensity score matching)と差の差の手法(difference in differences)を組み合わせた手法を用いて森林コーヒー認証取得の効果を測定した。その結果、認証を受けた森林コーヒーが生育する森林の場合には、2 年の間に2.8%の森林が破壊されて農地や居住地などの非森林に転換されたのに対して、森林コーヒーが存在しない森林ではその割合が 4.5%であり、前者の方が森林が破壊された割合が 1.7ポイント低く、またその差は統計学的に有意であることがわかった。ところが、認証を受けていない森林コーヒー生育地域と、森林コーヒーが存在しない森林とでは、森林破壊の割合に差がなかった。この 2つの推計結果から、森林コーヒー認証の取得が森林保全に大きく貢献したことが明らかとなった。

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