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COVID-19対応におけるガバナンスの検討:ベトナムを事例として

本研究は「COVID-19研究:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と強靭な社会に向けて」の分担研究として実施している研究です。

本研究では、新型コロナ対応の「成功事例」(2021年6月末までを分析対象)と称されるベトナムの事例を取り上げ、これまで議論されてきた感染症対策としての初動の速さや(一党体制に起因する)国家の国民の動員力という視点だけでなく、実際に国家が市民に対してどのような働きかけをし、市民がどのように反応し、さらにはどのように「自発的」に対応したのかについて国家と社会の関係から検討することを目的としています。このことは、今回の各国の対応と感染状況の違いを見て明らかになったように、画一的アプローチが有効ではないことを実証し、政治体制ではなく歴史的視点を踏まえたガバナンスの在り方がその成否を決定付ける要因の一つであることを提起することにもつながります。

本研究から得た教訓は、現在のパンデミックの収束のみならず、今後の感染症対策として有用な国際公共財になり得ると考えられます。また、ベトナムは中所得国であることから、資源希少性の高い開発途上国に対し、その適応可能性を検討する上で重要な示唆を提示すること可能となり得ます。事例研究を通して修正された分析枠組みやその概念は、今後の感染症対策あるいは広義の危機対応とその効果検証にも活用されることが期待されます。

研究領域
人間開発
研究期間
2021年04月27日 から 2022年03月31日
主査
谷口 美代子
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #保健医療
  • #経済政策・ガバナンス

研究成果(出版物)