JICA緒方研究所

研究活動紹介

COVID-19研究:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と強靭な社会に向けて

2019年12月に中国武漢市から広まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、今も世界中で猛威を振るっています。国際社会は過去のSARS、新型インフルエンザ、エボラウイルスなどの流行の経験から、将来の感染症危機に備えるため、各国の警戒・対応能力強化に取り組んできました。しかし、COVID-19禍では、直接的な感染症による健康被害に加え、厳格な対策によるその他の保健医療サービスへのアクセス低下、社会・経済活動の低下など大きな影響が各国に広がっています。保健システムが脆弱な低中所得国では、流行初期から、厳格な行動制限や人々の予防的行動・相互支援により、COVID-19の影響が比較的少なく抑えられてきましたが、流行が拡大、長期化する中で、影響の深刻化や格差の拡大が懸念されています。さまざまなレベルで対策強化や改革が検討されていますが、感染症流行拡大を阻止する有効な対策を講ずるためには、いまだ十分に解明されていない各国の実態の理解が不可欠となっています。

以上を踏まえ、本研究プロジェクトでは、将来のさまざまな健康危機に備えるための保健システム、それを支える政府やコミュニティーの在り方をテーマに、以下の8つの研究を行います。これらの研究では、世界の国々のCOVID-19禍での実態解明と、有効な方策についての実証に取り組みます。これらを通じ、現在、JICAが進めている世界保健医療イニシアティブの推進、また、日本が保健外交として推進してきたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)のこれからの在り方、支援策について、重要な示唆を与えることを目指します。

【感染症研究・早期警戒体制】
(1)COVID-19流行における国際保健規則および外部合同評価の有効性と課題に関する研究
(2)コンゴ民主共和国におけるSARS-CoV-2血清有病率からみた感染実態に関する研究

【感染症診断・治療体制】
(3)日本の病院におけるCOVID-19の集団感染に関する事例研究
(4)危機に強い医療提供体制についての国際比較研究

【感染症予防、健康危機への備えの主流化】
(5)COVID-19対応におけるガバナンスの検討:ベトナムを事例として
(6)低中所得国におけるCOVID-19対応が基礎的保健サービスに及ぼす影響に関する研究
(7)リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントが人々の健康行動に与える影響:COVID-19感染症への対応から考える
(8)手洗い行動変容に関する実証研究

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