JICA緒方貞子平和開発研究所ナレッジフォーラム「スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)講演 ~変わりゆく世界経済の中での雇用の未来~」

掲載日:2024.01.31

イベント |

イベント内容

世界の雇用動向に懸念の声が高まっています。人口増加により、労働力の供給は増加しますが、それに見合う雇用を実際に創出し得るかという点が注目されています。特にアフリカでは、将来的に労働力人口の爆発的な増加が見込まれており、国連の中期予測で2010~2050年の間に世界全体で労働力人口が約15億人増加することが見込まれていますが、そのうち10億人がアフリカの労働力人口の増加によるものです。これらの労働力を取り込む包括的な成長(inclusive growth)が実現できるかが重要な課題となっています。ロボットやAIに関する技術の進展、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを踏まえた経済構造やサプライチェーンの変化、グリーンエコノミーへの移行が世界の雇用にどのような影響を与えるのかも未知数です。

JICA緒方研究所とコロンビア大学政策対話イニシアティブは、このような雇用問題について、さまざまな有識者と連携し、多角的な研究を行っており、研究成果は書籍として取りまとめられる予定です。

本フォーラムでは、研究代表でノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・スティグリッツ氏、およびアクバル・ノーマン氏、アルジュン・ジェヤデブ氏を迎え、本研究の成果報告として、世界経済と開発における雇用問題、開発途上国が直面する産業構造の変化、サービス業や農業主導の雇用と生産性向上の可能性、人口動態の変化と雇用創出に向けた政策、国際社会の役割などについて講演していただきます。

講演者紹介

ジョセフ・スティグリッツ氏:
コロンビア大学教授。公共経済学や情報の経済学、グローバル経済などに関し、数多くの著名な書籍と論文を発表しているほか、米国の大統領経済諮問委員長や世界銀行のチーフエコノミストを歴任。また、コロンビア大学における非営利の研究イニシアティブ:Initiative for Policy Dialogue(IPD)の共同創設者・代表であり、開発途上国開発のための政策分析・提案を積極的に行ってきている。

アクバル・ノーマン氏:
コロンビア大学教授、政策対話イニシアティブ(IPD)シニア・フェロー。世界銀行やその他の国際機関、政府高官として幅広く活躍し、開発途上国における政策分析・立案の経験を持つエコノミスト。その他、オックスフォード大学とサセックス大学開発研究所で教鞭をとる。

アルジュン・ジェヤデブ氏:
アジム・プレムジ大学教養学部長。マサチューセッツ大学で教鞭の経歴があり、Institute for New Economic Thinkingのシニア・エコノミストでもある。スティグリッツ教授らと主に、『Journal of Globalization and Development』のエディターを務める。

コロンビア大学政策対話イニシアティブとの共同研究について

JICA緒方貞子平和開発研究所は海外の有識者や研究機関との連携を通じ、開発の重要課題についての研究、国際的な研究ネットワークの拡充と発信力の強化を図っています。2008年の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)より、ジョセフ・スティグリッツ教授が率いるコロンビア大学政策対話イニシアティブ(Initiative for Policy Dialogue)と共同研究を実施してきました。今回のグローバルな雇用問題をテーマとした共同研究は、この第5回の取り組みとなります。

プログラム

15:00-15:05 開会あいさつ
・田中 明彦:JICA理事長

15:05-16:05 講演:変わりゆく世界経済の中での雇用の未来
・ジョセフ・スティグリッツ:コロンビア大学 教授・政策対話イニシアティブ(IPD)代表 /JICA緒方研究所 研究パートナー
・アクバル・ノーマン:コロンビア大学 教授・政策対話イニシアティブ(IPD)シニア・フェロー
・アルジュン・ジェヤデブ:アジム・プレムジ大学 教養学部長

16:05-16:25 トークセッション
【コメンテーター】
・峯 陽一 JICA緒方貞子平和開発研究所 研究所長
・武藤 めぐみ JICA上級審議役

【モデレーター】
・原田 徹也 JICA緒方貞子平和開発研究所 上席研究員

16:25-17:00 質疑応答

17:00 閉会

問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:梶野)
メール:dritrp@jica.go.jp

申し込み方法

以下のフォームから2024年3月8日正午までにご登録下さい。