【終了】公開セミナー「オープンイノベーションと開発」

掲載日:2016.03.23

イベント |

イベント内容

情報化社会の進展に伴い、携帯電話・スマートホン、インターネットなどの情報通信技術(ICT)とそれらをプラットフォームとして展開される新たな生産・サービス・企業活動形態が、製造業を中心とする広範な産業界で応用されようとしています。「インダストリー・インターネット」やドイツの「Indsutrie 4.0」政策がその例です。

また、「オープンソース・デザイン」や「オープンソース・ハードウェア」、「Internet of Things(IoT)」など、ソフトウェアやネットワーク製品・サービスの開発・製品化手法をハードウェア分野に導入する動きも見られるほか、市民が3Dプリンターなどのデジタル工作機械を自由に活用する工房・コミュニティである「ファブラボ」や、モノづくりのマニアたちが集まる「ハッカースペース」、起業にもつながる「メイカースペース」などのムーブメントが世界的に拡大を続けています。これらの動きを総称して「第三の産業革命」と呼ぶこともあります。

開発途上国においても、都市部を中心にICTの利用は急拡大しています。インターネットやスマホを経由すれば、世界の最先端の動きが地球上どこでも瞬時に把握できるようになってきました。途上国の出身者が、シリコンバレーをはじめとするイノベーションの先進国・地域で学び、働き、起業して得られたた経験を出身国に還元しようとする動きも出現・拡大しつつあります。イノベーションに国境はなくなりつつあります。

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」でも、ICT利用の拡大とグローバルに人や組織がつながることが、人類の進歩を加速し知識社会を発展させると期待されています。具体的に「持続可能な開発目標(SDGs)」では、目標 8(成長と雇用)、目標 9(インフラと工業化、イノベーション)、目標17(実施手段・パートナーシップ)で、科学技術イノベーション(STI)の促進が取組み目標として掲げられています。

開発途上国の経済・社会開発では、新たなアプローチによる発展が求められています。従来型の工業・産業形成路線とは異なる、ソフトウェアやサービスのイノベーションを軸とする「オープンイノベーション」が、新たな可能性を発揮すると期待されています。特に市民レベルで展開されているデジタル工房「ファブラボ」は、「オープンイノベーション」の一形態であり、地域開発と産業開発の促進に大きな可能性を秘めていると見られています。「オープンイノベーション」は草の根レベルにとどまらず、製造業やサービス産業における企業間、企業・ユーザー間、産学官間でも起こり得ます。

このような背景から、JICA研究所は、2015年9月に「オープンイノベーションと開発」研究会を発足させ、開発経済学およびイノベーション分野における国内を代表する有識者に御協力頂き、4回の研究会を開催してきました。研究会での議論と今後の発展可能性に関するアイディアをまとめた成果品ペーパーをドラフトしたのを機に、公開セミナーを開催し、広く一般参加者からもフィードバックをいただく機会を設けたいと思います。

プログラム

9:30 受付開始
10:00 開会挨拶 (JICA研究所長 畝 伊智朗)
10:05~10:25 プレゼンテーション
「オープンイノベーションとファブラボ」 (田中浩也 慶應義塾大学)
10:25~10:45 プレゼンテーション
「オープンイノベーションと開発」(田中辰雄 慶應義塾大学)
10:45~11:00 プレゼンテーション
「JICA事業へのインプリケーション」(内藤智之 JICA)
11:00~11:50 パネルディスカッション
「オープンイノベーションが途上国にもたらす可能性」
モデレーター:会津泉(多摩大学)
パネリスト(五十音順):
実積寿也(九州大学)、田中辰雄(慶應義塾大学)、田中浩也(慶應義塾大学)
徳島泰(慶應義塾大学)、山田浩司(JICA)、渡辺智暁(国際大学)
11:50 本日セミナーのまとめ (篠原雄之 JICA)
11:55 閉会挨拶 (JICA研究所長 畝 伊智朗)

司会 増田吉郎(JICA)

※本研究会成果品ペーパー(ドラフト)は以下関連ファイルよりダウンロードできます。

問い合わせ

JICA 研究所 (植松、本田)
電話:03-3269-2959 メール:ditas-rsunit@jica.go.jp

申し込み方法

このイベントは終了いたしました。