ウガンダとタンザニアで政府関係者や有識者にインタビュー調査を実施

2010.09.20

8月31日から9月9日にかけてウガンダおよびタンザニアで、笹岡雄一上席研究員が、自ら研究分担者を務める「アフリカにおける暴力的紛争の予防」研究で、現地情勢を把握するために政府やNGOの関係者、大学教授など有識者約15名からインタビュー調査を行いました。これは、①政治制度が明確に異なる(もしくは②政治プロセス、あるいは③アイデンティティー集団間における所得や資産、経済的機会、教育、保健衛生などの不平等において異なる)二国をペアにして、上記①~③の違いが社会の安定性にどう影響するかを比較するために実施されたものです。

ウガンダとタンザニアを研究するにあたり、1960年代の独立時点で高度な自治をもち、憲法でそれらを保障されていた集団・地域が約50年を経た後に中央集権的な国家の中でどのように調和ないし拮抗しているか、をポイントとしています。

今回の調査で、ウガンダでは南北両地域の集団による伝統的な対立に加えて、南西部で集団の争いが起きており、土地争いのほかに西部地域の集団内部の複雑性が起因しているというような見解が収集でき、タンザニアでは政治情報が得にくいザンジバル地方で進んでいる権力分有の流れが定着するのかについてほぼ肯定的な見解が得られました。これらから、両国の自律性をめぐる現実が対照的であることが確認できました。

今後も現地での情報収集やインタビュー調査を行い、研究を進めていきます。また、これら実証的な研究に裏打ちされた政策的含意は、政治プロセスや紛争のシグナルまで視点に入れた広義の開発や開発援助の役割の留意点に関する政策的処方箋としてドナーコミュニティに発信する予定です。

問い合わせ先

JICA研究所 企画課
電話:03-3269-2357

開催情報

開催日時:2010年8月31日(火)~2010年9月9日(木)
開催場所:ウガンダ カンパラ、タンザニア ザンジバル

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