世界銀行の教育スタッフ研修にてJICAとのSABER研究中間成果を発表

2014.02.14

世界銀行(世銀)は、教育分野支援における政策対話強化を狙いとして、グローバルなスタッフ向けに学校運営とアカウンタビリティ制度(School Autonomy and Accountability: SAA) に関する研修をワシントンの世銀本部で1月27、28日の2日間にわたり、ワシントンDCにて実施しました。この研修は、JICA研究所とJICA人間開発部が共に協力してきた、SABER(サベール)と呼ばれる教育システム分析のためのツールとデータベースを開発しているナレッジプログラムの説明や意見交換を通じて、世銀事業における活用を促進することが主な目的として行われました。JICAからは、人間開発部職員の澁谷和朗氏と結城貴子主任研究員が参加しました。

研修1日目には、世銀のHarry Patrinos教育セクターマネージャーや、Angela Demasシニア教育スペシャリストが、学校運営制度に係る国際的研究事例の紹介、SABERの「政策の質」を分析するツールの政策対話における適用事例の説明などを行いました。

研修2日目の「政策から実施へ」というセッションでは、JICA研究所が世銀と共同で実施している「学習成果と衡平性に資する教育システム分析ツールの開発研究(SABER研究)」の中間成果を踏まえ、結城主任研究員が発表しました。結城主任研究員は、SABERプログラムが既に開発を進めている「政策の質」の分析ツールを補完するために、同研究チームが開発した「政策実施の質」の分析ツールを試行したブルキナファソの事例を取り上げました。ブルキナファソ政府の教育セクター戦略のモニタリングや詳細行動計画の改善に貢献することを本事例研究の目的とし、教育省の協力を得て4州における校長、学校運営委員会、保護者会、村役場、県・州教育事務所に対するインタビュー調査を行った経過などを報告しました。

発表後のグループディスカッションでは、分析ツールに関する質問、保護者会と学校運営委員会との関係、学習アセスメント結果の各学校への共有意義、視学官訪問の困難さ、政策提言の実施可能性などについて、参加者の経験や担当国に基づき様々な意見交換がなされました。特に、アフリカを担当している世銀スタッフの関心は高く、同テーマでの調査や技術支援ニーズがあることが伺えました。

こうした事例国以外のニーズも念頭に置きながら、政策実施の質に係る分析ツールの精査を進め、活用オプションの説明と発信方法について世銀SABERチームとの協議を継続していく予定です。

開催情報

開催日時:2014年1月27日(月)~2014年1月28日(火)
開催場所:米国、ワシントンD.C.

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