JICA研究員が、IDSセミナーで「開発途上国における障がいと労働市場」について英国で発表

2014.02.18

2月6日、英国サセックス大学に拠点を置く開発学研究所(IDS)主催のセミナーが、ブライトンで実施され、JICA研究所のKamal Lamichhane(カマル・ラミチャネ)研究員がゲストスピーカーとして発表を行いました。

このセミナーは、IDSの研究者、学生を対象としており、内外の有識者を招聘して定期的に実施されています。今回の講演は、JICA、IDSおよびAFD(フランス開発庁)の共同研究で協力関係にあるIDSのLawrence Haddad所長を介して実現しました。

ラミチャネ研究員は、「開発途上国における障がいと労働市場」のテーマで発表を行いました。発表の中で、障害のある人は、様々なバリアのために労働市場での参加が制限され続けており、雇用された場合でも、非正規雇用か、その社会で地位が低い職種に限られている現状を説明しました。また、障がいのある人が世界の人口に占める割合が約15%で、そのうちの80%近くが開発途上国に住んでおり、貧困層の15%から20%に当たることを述べました。その主な要因として、教育や雇用へのアクセスが不平等であることを指摘しています。

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ラミチャネ研究員

ラミチャネ研究員は、障がいのある人への労働市場への参加を促す政策として、中等、高等教育への機会の提供や教育への投資を増加すること、また、障害のある学生への奨学金制度、条件付現金給付、障がいのある学生が適応できる学校の増加などを挙げました。

発表の最後に、ラミチャネ研究員は、「質の高い教育を提供すると共に、様々なアクセスに関するバリアを取り除くことが、障がいのある人の経済的なエンパワーメントにとって必須である」ことを強調しました。

発表後の質疑応答の中で、参加者からは、障がいのある人の教育収益率の高いことに対する驚きや、分析方法に関する質問、また政策提言をいかに実際の政策に反映することができるかといった質問が活発に投げかけられました。

関連ファイル

開催情報

開催日時:2014年2月6日(木)
開催場所:英国、ブライトン

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