カナダで開催されたCIES会議で、JICA研究員がSABERとイエメンの基礎教育事例研究を発表

2014.03.31

3月10日から15日にかけて、比較国際教育学会(Comparative International Educational Society:CIES)2014年次会合がカナダ、トロントで開催されました。今年の会合は、「すべての人への教育を見直す」がテーマとなり、JICA研究所が取り組む4つの研究領域の1つである援助戦略に関する2件の研究成果がそれぞれ発表されました。

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結城主任研究員

研究所からは、結城貴子主任研究員、亀山友理子研究助手、伊芸研吾研究助手が出席し、「学習成果と衡平性に資する教育システム分析ツールの開発研究(SABER研究)」と、「イスラム紛争影響国における人的資本形成とジェンダー平等:イエメンにおける基礎教育の事例研究」の分析結果をそれぞれ紹介しました。

まず、3月12日に、学校運営とアカウンタビリティ制度(School Autonomy and Accountability) に関するセッションで、結城主任研究員は「Governance quality at school and meso levels of policy implementation: the case of Burkina Faso」の研究テーマで発表しました。ブルキナファソで実施した学校とメゾレベル(郡や村役場)に対する調査の中間報告を行い、学校運営委員会の活動度合とメゾレベルの一般行政能力との関係性、また教科書配布や補習授業時間などの学習環境の質や卒業試験の成績との関係性などを報告しました。会場からは、学校への権限移譲の実施度合における校長のリーダーシップの影響や、政策によって設立された学校運営委員会と従来からある保護者会との関係など、他国の状況も踏まえた質問がなされました。

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亀山研究助手

3月14日には、「Challenges in improving learning outcomes for countries with unfinished Universal Primary Education and equity agenda: the case of Yemen」のテーマで、亀山研究助手が発表を行いました。著しい就学者数の増加と学習成果の質とが負の関係にあるのではないか、またどのような政策が潜在的なトレードオフの関係を緩和し得るのかといった疑問に対して、ミクロデータを用いて検証した結果を報告しました。本セッションの参加者には、研究者だけでなく中東地域における国際援助機関の実務経験者も出席し、学習の質、地方分権化を中心とした活発な議論が展開されました。

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開催情報

開催日時:2014年3月10日(月)~2014年3月15日(土)
開催場所:カナダ、トロント

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