高等教育の地域協力・地域統合の重要性を指摘:研究所の「東アジアの大学の国際化」研究の成果を含む英文書籍「Emerging International Dimension in East Asian Higher Education」が発刊

2014.05.14

2度の金融危機を乗り越え、世界経済のエンジンとしての役割を期待されるアジア諸国の経済は、アジアの新興国が経済成長を維持するために、イノベーションに基づく経済構造の向上が必要とされています。これには、民間の自助努力と同時に、政府や国際機関によるイノベーションやアップグレードを担う高度な技術・管理人材の養成が重要です。人やモノが国境を越えて移動する今日、高度人材の育成についても国境の枠を超えて、体系的に進めていく時期にきています。

JICA研究所は、研究プロジェクト「東アジアの地域統合、労働市場と人的資本形成」において、東アジアの指導的な大学300校を対象とした将来の高等教育分野における地域協力・地域統合の方向性を探究するサーベイを実施しました。この研究成果は、国際共同学位プログラムのような新たな形態の高等教育のあり方や振興策を体系的な政策として確立する必要性を提示しています。

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本研究を基に、共同研究代表者であった黒田一雄客員研究員(早稲田大学教授)、結城貴子JICA主任研究員、Kyuwon Kang元研究助手の3名が共著した章を含む英文書籍、Emerging International Dimension in East Asian Higher Education が、2014年4月に英国のSpringerから発刊されました。

本書籍は、「公共財」としての高等教育の役割と価値に焦点を当て、欧州、北・南アメリカ、アフリカ、アジアの事例研究に基づき、各地域の高等教育における相違点、類似点を検証しながら、国際的な潮流と同時に地域の特性を分析しています。前述の3名の研究員は「The Institutional Prospects of Cross-Border Higher Education for East Asian Regional Integration: An Analysis of the JICA Survey of Leading Universities in East Asia」のテーマで第4章に寄稿しています。

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