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「被災地を中心に」「人道危機対応はノン・リニア」:世界人道サミットの成果文書とJICA研究所の見解一致

2016.06.23

「世界人道サミット」が、2016年5月23日と24日、トルコのイスタンブールで開催されました。JICA研究所からは、ゴメズ・オスカル研究員と花谷厚上席研究員(当時、現JICA平和構築室長)が参加するとともに、「人道危機対応におけるコンティニュアム:世界人道サミットへのメッセージ」とリサーチペーパーを会場で配布しました。JICA研究所の関連研究から得た成果であるこれらの内容は、サミット全体の主張やサイドイベントの共同宣言とも合致するものでした。

JICA研究所は2015年1月から研究プロジェクト「二国間援助機関による人道危機対応に関する比較研究」を進めており、自然災害と紛争に関する事例研究などを実施、その成果から、次の5つのメッセージをまとめました。1.人道危機対応はノン・リニア(non-linear)である。2.支援者間のマンデートやマインドセットの違いを乗り越える。3.被災地を中心に据える。4.危機発生時から予防のための活動を開始する。5.グローバルレベルな協力体制を危機の種類に応じて作り直す。

スリランカでの気象情報・防災ネットワーク改善の取り組み(写真:久野真一/JICA)

このうち、「被災地を中心に据える」は、人道サミット全体の提言の中でも重視されました。また、日本政府が難民問題に取り組む国際的な枠組みSolutions Allianceと共催したサイドイベント「人道支援と開発援助の連携‐難民・国内避難民のための解決策を見出す協働アプローチ」の共同宣言では、最初の項目に「被災地を中心に据える」が挙げられたほか、「復興はリニアではない」など、上記5つのJICA研究所のメッセージのうち4つが含まれる形となりました。

初の「世界人道サミット」は、173カ国、国際機関やNGO、学術関係者など約9,000人が参加、2日間の会期中に、プレナリー会合、7つのハイレベルリーダーズ・ラウンドテーブル、15の特別セッション、132のサイドイベントなどが開催されました。

「人道、災害危機管理と平和構築アプローチの連動」や、「レジリエンス:約束を現実に変える」、「危機にある国の移民イニシアティブ:誰一人置き去りにしない」など9つのイベントに参加したゴメズ研究員は、「JICA研究所の研究に関連する情報も多く、他の国際援助機関の動向など興味深い情報を得ることができた。直接疑問をぶつけたり、また互いの研究の情報交換をしたりして、次の研究につながる交流もできた」と感想を述べました。

なお、本サミットには北岡伸一JICA理事長も、サイドイベント「人道支援と開発援助の連携‐難民・国内避難民のための解決策を見出す協働アプローチ」にてパネリストとして登壇するなど議論に貢献しました。

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