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オープンアクセス書籍『Introducing Foreign Models for Development: Japanese Experience and Cooperation in the Age of New Technology』発刊

2023.10.12

JICA緒方貞子平和開発研究所の研究プロジェクト「日本の産業開発と開発協力の経験に関する研究:翻訳的適応プロセスの分析 」の最終成果として、オープンアクセス書籍『Introducing Foreign Models for Development: Japanese Experience and Cooperation in the Age of New Technology 』(編者:大野泉、神公明、天津邦明、森純一)が2023年10月に発刊されました。

本書は、今日の開発途上国が外来の経済発展モデルをいかに効果的に学び、自国の開発政策の策定に適用させるかの方法に焦点を当てた研究の成果です。後発国が工業化に成功する前提条件として、政策能力と社会的学習の重要性が強調されるようになってきています。しかし、各国が社会の固有性を生かしながら、どのように外来知識・技術を学び、内生化していけばよいかは十分に解明されていません。本書は、日本が過去の開発経験や、アジア、アフリカ、中南米における広範な開発協力で培った視点をもとに豊富な事例分析を行い、この実践的な問いに答えるものです。19世紀後半以降、日本は欧米から先進的技術やシステムを導入し、その過程で独自の哲学と方法を培ってきました。こうした哲学や方法は、今日の日本の開発途上国への開発協力にも投影されています。

キーコンセプトは、ローカルラーニングと翻訳的適応です。翻訳的適応とは、外来のモデルを導入する際に、現地の実情に応じて、自らの社会に内在的な視点で読み替え、適応させることを意味します。開発プロセスには、受容側の国・社会の主体的な取り組みが求められます。本書はまた、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)とデジタル化の時代において、こうした方法は有用であり続けるか、何を見直すべきかについても問いかけます。

本書は3部から構成されます。第1部では工業化プロセスにおける翻訳的適応について概観し、第2部では翻訳的適応とローカルラーニングの具体例を紹介します。第3部では変化する世界における翻訳的適応について考察します。

以下の関連出版物リンクより、PDFでダウンロードいただけます。

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