「東アジア国連システム・セミナー」で武藤専任研究員が人間の安全保障について発表

2024.01.09

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の武藤亜子 専任研究員が、2023年11月24、25日に韓国の全北大学校で開催された第22回「東アジア国連システム・セミナー(The 22nd East Asian Seminar on the United Nations System)」に参加しました。

同セミナーは、中国国連研究アカデミックネット(China Academic Network for UN Studies: CANUNS)、韓国国連システム学術評議会(Korea Academic Council on the United Nations System: KACUNS)、日本国際連合学会(Japan Association for United Nations Studies: JAUNS)という3ヵ国の国連研究を行う団体が学術交流を行うためのフォーラムです。

発表者を務めたJICA緒方研究所の武藤亜子専任研究員(左)と別のセッションで討論者を務めたYonsei大学のJae Jeok Park准教授

3ヵ国による研究を通じた国連の活動への貢献

はじめに、KACUNSのChoi Dong Ju会長、JAUNSの山田哲也会長、CANUNSのWang Ying副事務局長が開会あいさつを述べました。続けてパン・ギムン前国連事務総長がビデオメッセージを寄せ、全北大学校のYang O-Bong学長と全羅北道のKim Kwan-young知事が歓迎のあいさつを述べたほか、Kim Sook前韓国国連大使が基調講演を行いました。

2日間の会期中には、5つのセッションとして、「世界の平和維持と平和構築における東アジアの貢献」、「 SDGsの実践を計画通りに促進するための国連のアプローチ」、「パンデミック後の時代における国連の役割」、「3ヵ国の歴史における国連の貢献」、「東アジアの平和と繁栄のための国連」が開催されました。各セッションでは3ヵ国の参加者が研究成果を発表し、討論者と併せて20人以上が活発な議論を展開しました。国連の多様な活動に対して3ヵ国がそれぞれの国の立場から大きな貢献をしていること、また、194ヵ国が加盟する唯一の国際機関である国連の役割が、さまざまな課題を抱える今の時代において極めて重要であることが確認されました。

さらなるネットワークの構築へ

武藤専任研究員はセッション「パンデミック後の時代における国連の役割」にて、パンデミック後の国連に期待される役割を人間の安全保障の視点から検証しました。また各セッションには、JAUNS学会長で南山大学の山田哲也教授、元駐コスタリカ大使の猪俣忠德JAUNS理事、関西学院大学の久木田純教授、同大学の望月康恵教授、東海大学の小川裕子教授、東北公益文科大学の玉井雅隆教授、横浜市立大学の上村雄彦教授が参加し、それぞれチェア、発表者、討論者として貢献しました。本セミナーは3ヵ国からの参加者が国連の幅広い活動についての理解を深めるのみならず、参加者同士のネットワークを構築する極めて貴重な機会となりました。

2024年の「東アジア国連システム・セミナー」はJAUNSが主催する予定です。2024年は国連が「未来サミット」を開催予定であり、さらに3ヵ国いずれもが国連安全保障理事会のメンバーとなる節目の年になります。国連の活動がますます重要になる中で、本セミナーが3ヵ国の国連研究を行う団体の継続的な交流を深め、強化していくことが期待されます。

なお、このセミナーの概要はCANUNS、KACUNS、JAUNSのウェブサイトでもご覧になれます。

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