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『移民がむすぶ日本と南米の歴史―帝国・開発・官民協力―』

  • #書籍および報告書

『移民がむすぶ日本と南米の歴史―帝国・開発・官民協力―』

本書は、20世紀における南米の日系移民の国境を越えた移動と活動を取り上げ、国家、地域社会、コミュニティーにおいて、日系移民が日本と南米をどのように結びつけたかを論じています。また、ブラジル、ペルー、パラグアイ、アルゼンチンの個別事例に着目し、日系移民を両地域に渡る歴史の主体として捉え、その移動の軌跡と移住先での経験について考察しています。

日本には、明治維新以後、およそ一世紀以上にわたり、日系移民を国外に送り出した歴史があります。南米へと渡った日本人やその子孫は、現在に至るまで、数十年の時を経て日本に「帰国」したり、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災後に南米に再び帰国するなど、個別の文脈に応じて越境的に移動し続けてきました。

日系移民が各移住先で果たした役割は多様であり、農業と開拓に従事して移植民事業や入植地建設において重要な役割を果たしたり、日本と移住先との貿易や文化交流の仲介者となったりして、移民の地位向上をもたらしました。

本書では、同時代の日本と南米の政治的・社会的・経済的背景との連動に注目しつつ、日系移民史や日本帝国主義研究、歴史学や文化研究といった他分野にまたがる問題領域や論点を取り上げ、日本と南米が共有する歴史を描き、日本研究とラテンアメリカ研究の架橋を試みます。

序章 南米日系移民の歴史を振り返る意義(ガラシーノ・ファクンド、高木佳奈)

Ⅰ 移民の送出と教育
第1章 日本の南米移民事業における「官民」協力(根川幸男:国際日本文化研究センター・特定研究員)
第2章 海外植民学校の教育内容と戦前期パラグアイへの入植(名村優子:早稲田大学日本語教育研究センター非常勤インスタラクター)
第3章 救済としての渡航(フェリッペ・モッタ:京都外国語大学外国語学部専任講師)

Ⅱ 移民とともに移動するモノ
第4章 交易仲介人としての日本人移民(竹中歩:一橋大学教授)
コラム 1940年、初めて日本を見る(フェリッペ・モッタ)
第5章 日系移民とともに移動した「日本文化」(高木佳奈)
コラム 日系移民とアルゼンチンの東洋美術コレクション(高木佳奈)

Ⅲ 移民と開発
第6章 日系移民とブラジル開発(ガラシーノ・ファクンド) 
コラム アマゾン河流域への日本人入植と記憶地図の試み(根川幸男)          
第7章 『北海道協会報』からみた在ブラジル北海道協会の活動(番匠健一:社会理論・動態研究所研究室)

終章 日系移民がむすんだ日本と南米(ガラシーノ・ファクンド、高木佳奈)
補遺 「文化事業移民」舟木章・茂子夫妻の軌跡(高木佳奈)
あとがき(ガラシーノ・ファクンド、高木佳奈)

編者
ガラシーノ・ファクンド、 高木 佳奈
発行年月
2025年11月
出版社
東京大学出版会
言語
日本語
ページ
397
関連地域
  • #中南米
開発課題
  • #日本の開発協力
  • #人の移動と難民
研究領域
開発協力戦略
ISBN
9784130263542
研究プロジェクト