『An Oral History of Development Cooperation Experiences of Japan and its Partners』
JICA緒方研究所について
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本オープンアクセス書籍は、インドネシア、チリ、タンザニア、マレーシア、タイ、コスタリカ、ケニア、ガーナ、ザンビア、ヨルダン、ブラジル、カンボジア、日本で収集された約300件のインタビューの語りに基づき、日本の開発協力の歩みを包括的に記録したオーラルヒストリー(口述史)です。
開発協力に関する書籍の多くは援助を提供する側の視点から書かれていますが、本書は「カウンターパート」と呼ばれる援助を受け入れる国の現地の担い手の声に焦点を当てています。地政学的な分極化と内向き志向が強まる現代において、本書は、日本人専門家と現地のパートナーが互いの立場を尊重しながら、新たな開発協力の在り方を追求していく姿を鮮やかに描き出しています。事例研究では、一次産業、製造業、インフラ、教育、保健医療、移住、環境の持続可能性、平和など、幅広い分野を扱っています。そして、分断が深まるこの世界で、開発協力をどう再考すべきかという問いを読者に投げかけています。
「開発協力が大きな変革期を迎えている今、過去の経験から学び、将来の戦略に生かすことは極めて重要です。日本の開発協力は、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えることを重視するアプローチを通じて、現地の人々と揺るぎない信頼関係を築いてきました。こうした信頼関係がいかにして開発プロジェクトを予期せぬ困難や危機から救ってきたかを、本書は生き生きと描いています。またプロジェクトに関わった関係者自らの言葉を通じて、期待やもどかしさ、そして成果を分かち合う喜びをも浮き彫りにしています。開発協力の今後の方向性に関心を寄せる全ての人にとって、必読の書と言えるでしょう」
国際協力機構(JICA)理事長 田中明彦