Growth is Dead, Long Live Growth: The Quality of Economic Growth and Why it Matters
望ましい開発と成長とは何か。また、その実現をどのように促すのか。JICA研究所は、2012年からフランス開発庁(AFD)および英国の開発学研究所(IDS:Institute of Development Studies)とともに、「質の高い成長」に関する共同研究を行ってきました。本書はその研究成果をまとめたものです。
20世紀を通じ今日まで長い間、「成長」とは経済成長を指し、経済の活動規模が増大・拡張していくことが目的とされ、その成果はGDPなどにより測られてきました。しかしながら、気候変動が喫緊に解決すべき課題となり、経済成長の失速がやむを得ない現実となりつつある現在、「成長」の意味を再考すべき時にさしかかっています。
雇用を生み出し、公平で包摂的な社会を実現すること。また、自然災害や金融危機などのリスクに対するレジリエンス(強靭(じん)性)を高めること。本書は、こうした「質の高い成長」を取り巻く多様な側面を踏まえつつ、望ましい開発のあり方、またその実現に向けて考慮すべき点について、AFD、IDS、JICA研究所の究者が考察を試みたものです。
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