『Southeast Asian Muslims in the Era of Globalization』

  • #書籍および報告書

Southeast Asian Muslims in the Era of Globalization

東南アジアのイスラーム諸国とムスリムは、二つの相反するイメージによって理解されています。一つは、東南アジアのイスラームは、スーフィズムの影響が強く、各国の文化に融合した形でイスラーム教が発展し、中東のイスラーム諸国と比べ、穏健であるという理解です。もう一つは、東南アジアにおいてもイスラーム急進派が台頭しており、その危険性は「テロとの戦い」において考慮すべきリスクであるとする考えです。後者の考え方は、2002年に発生したインドネシア・バリ島における爆破事件を契機に、特に多くみられるようになりました。

本書は、東南アジアのイスラーム社会のグローバル化に伴う変容を、多様な観点から分析することにより、相反する二つの見方の間のギャップを埋めようとするものです。具体的には、産業化、資本主義化・民主化、世俗主義化などの西欧近代化モデルが、それぞれの国家・地域・土地においてどのように再解釈されているのかを分析することで、東南アジアにおけるイスラームの特質と社会における役割を明らかにしています。「グローバリゼーション」は各国の社会に大きな影響をもたらすと同時に、テロリストの間にも深く浸透しています。著者らは、各国においてグローバリゼーションとイスラームの衝突によって生じている様々な問題に対して、解決策の提案を試みています。また、独自に行った東南アジア4カ国での世論調査の結果から、宗教やグローバル化の進展などの要素が、どのように相互に関係しつつ、政府への評価や、イスラーム主義に対する考え方などに影響を及ぼしているのかについても実証的に分析しています。

本書は、2008年から2011年にかけて実施された研究プロジェクト「東南アジアにおけるイスラームの位置」の研究成果に基づいています。

編者
見市 建、 Omar Farouk
発行年月
2014年12月
出版社
Palgrave Macmillan
言語
英語
ページ
288ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #平和構築
研究領域
開発協力戦略
ISBN
9781137436801(ハードカバー)
9781137436825(Ebook EPUB)
9781137436818(Ebook PDF)
研究プロジェクト