No.32 Infrastructure Development and Carbon Footprints of Household Consumption in India
JICA緒方研究所について
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インフラ開発は、生活の質を向上させる上で必要不可欠なサービスを提供するが、一方で消費を促進し環境負荷を増加させる可能性がある。インフラは社会的慣行への影響を通じて消費の持続可能性に影響を与えうるが、具体的にどのような影響を及ぼすのかを包括的に探る事例研究はほとんど行われてこなかった。本研究では、インドのウッタル・プラデーシュ州に着目し、電気、水道、下水道、都市ガス、交通などのインフラ発展段階が異なる地域において、各世帯の消費行動がどのように異なるのか、それがカーボンフットプリント(CF)にどのような影響を与えるかを分析した。この結果、インフラが高度に発展した地域ほど、主に電力使用量の増加と移動に伴う化石燃料使用量の増加によって世帯のCFが高くなることが明らかになった。環境負荷を抑制しながら生活の質を向上させていくには、電力や住宅、交通インフラの開発の初期段階において、低CFでの消費行動を可能とする選択肢を提供するとともに、こうした消費行動を促す政策介入や啓発活動を行うことで、社会的慣行を形成していくことが重要である。
キーワード: 持続可能な消費、家計消費に伴うカーボン・フットプリント、インフラ開発、社会的慣行、時間の使い方
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