No.33 Issues in Intangible Assets and Their Implications on Policy in Developing Economies
JICA緒方研究所について
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本稿では、無形資産の重要性と発展途上国にとっての政策的な示唆について論じる。無形資産とは、特許、ブランド価値、ノウハウ、ソフトウェアなど、物理的な形を持たないが企業や国家にとって価値を持つ資産を指す。情報や知識が経済活動においてますます重要な要素となっている先進国では、無形資産は物理的資産と同等か、それ以上に重要な成長ドライバーと考えられている。無形資産の役割は、低所得国の発展にも不可欠になると期待されているが、この議論はまだ初期段階にある。本研究では、発展途上国の企業データにも触れつつ、無形資産の基本的な性質と経済におけるその役割について、議論する。無形資産が途上国経済の牽引役としてより重要な役割を果たすことが期待される中、貿易政策やマクロ金融政策、企業の人的資本投資戦略、知的財産権保護、社会政策、制度的ガバナンスなど、幅広い分野にわたって開発政策の転換が必要となる。また、国際協調・協力の役割や今後のさらなる研究への取り組みも重要である。
キーワード: 無形資産、生産性、成長、イノベーション
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