No.47 Land Reform and Rural Transformation: Linking Land Tenure Security to Labour Reallocation, International Migration, and Nutritional Outcomes in Sub-Saharan Africa
JICA緒方研究所について
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本研究は、エチオピアの農村部において土地所有保障制度と、世帯の生計手段の多様化、国際移住、栄養状態の改善の関係を検証したものである。世帯の固定効果および行政郡・年の固定効果を考慮した分析により、村レベルでの土地所有証明の有無によって、非農業活動(特に、無償の見習い活動)に従事する時間と割合が増加すること、逆に農業活動に従事する時間は変わらないものの割合が減少することを明らかにした。また、土地所有証明が臨時雇用および国際移住の可能性を有意に高めることも明らかにした。これらの結果は、土地権利の強化が労働移動に伴うリスクを低減しつつ、世帯の生計手段の多様化を促進することを示唆している。このような経済活動の変化は、世帯の栄養状態の改善にも影響している。土地所有証明を得た世帯は、幼児の1日あたりの食事回数が多く、また全世帯員の食事の多様化することが明らかになった。これらの知見は、土地権利の強化が労働の再分配と移住を通じて産業構造転換に寄与し、それを通じて世帯の食料アクセスと栄養状態を改善することを示唆している。本研究は、低所得農村地域における構造転換と食料安全保障のプロセスを促進する上で、土地権利を保障することが重要であることを示しており、土地政策が非農業活動や食料システムに及ぼす影響に関する研究に貢献する。
キーワード:土地改革、土地所有証明、構造転換、国際移住、栄養成果