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実施中プロジェクト

構造転換促進における土地所有権保障の役割:非農業活動、国内・国際移住に関する実証分析

先進国の成長の背景には、それに先立つ農業革命がありました。技術と制度の革新により土地生産性と労働生産性が向上したことから農業革命が実現し、その結果、農業から解放された労働者が工業分野で雇用されるようになりました。つまり、開発途上国で急速な経済発展が実現する可能性は、構造転換のスピードに応じて高まります。しかし、生産性の低いセクターと見なされる農業から、工業や製造業などの生産性の高いセクターへの移行には課題もあります。

アフリカの農業部門を強化することは、何百万人もの人々が貧困から脱却することにつながります。アフリカの農業を自給自足型から市場主導の技術集約型ビジネスへと転換するには、信用、保険、土地市場、土地所有権における課題に対処する必要があります。したがって、土地所有権(land tenure)は農村開発の形態に影響する最も重要な課題の一つであり、農家への土地証明書の発行は農業開発に向けた典型的な政策手段となっています。土地所有権の不安定性という課題に対処し、小規模農家をエンパワーするため、世界銀行や国連機関、多くの援助国が土地所有権の公式化を推進してきました。個人やコミュニティーが土地の利用、管理、所有における法的に認められた権利を得るため、土地所有権の保障が農家の生計にとって極めて重要だからです。

本研究プロジェクトでは、1998年に開始されたエチオピアでの土地所有権保障プログラムに焦点を当てています。土地所有権の保障を強化する証明書の発行が、非正規雇用の可能性や、農業および農業以外の活動に費やす時間の配分、国内/国際移住に影響を与えたかどうかを調査します。さらに、証明書が共同(世帯主とその配偶者)名義で発行された場合と世帯主のみに発行された場合を比較し、性別による影響の違いを検証します。

研究領域
経済成長と貧困削減
研究期間
2024年12月04日 から 2027年03月31日
主査
原田 徹也
JICA緒方研究所所属の研究者
テクレハイマノト・ソロモン・ハディス
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #経済政策
  • #農業開発・農村開発