From Aquino to Marcos: Political Survival and Philippine Foreign Policy Towards China

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フィリピンは、中華人民共和国に対する外交政策を、どのように形成しているのでしょうか。フィリピンの対中外交政策に関する既存の研究では、フィリピンの姿勢は、地政学的要因または国内要因のみに基づいて説明されています。本論文では、ベニグノ・アキノ3世政権(2010~2016年)、ロドリゴ・ドゥテルテ政権(2016~2022年)、フェルディナンド・マルコス・ジュニア政権(2022年~)の政治的計算と政策策定を分析し、中国に対するフィリピンのアプローチは、国内政治、地政学的検討、経済的実情が絡み合って形成されてきたと主張しています。著者はフィリピンの対中外交政策を一つの要因に焦点を当てて説明するのではなく、複数のフィリピン政権の運営方法を形作ってきたこれら3つの要素の組み合わせと相互作用から説明できると考察します。さらに、政治的存続の観点からは、これら3つの要素にはそれぞれ違った影響があったと考えます。指導者は政治的権力を蓄積し、挑戦者を防ぐことで権力の座にとどまります。フィリピンでは、国民の怒りを呼ぶような経済的・政治的な影響をもたらした前政権の対中政策をひきあいに、指導者が、その批判や軌道変更を行っていると考えられます。そのため、前政権が打ち出した対中政策が新たな大統領によって撤回、または変更されることが多く、その結果、中国に対する新たなアプローチが生まれます。本論文のデータは、2017~2020年にかけてフィリピンで実施された長期のフィールドワークによって得られたものです。アキノ政権、ドゥテルテ政権、マルコス政権の当局者、フィリピンのオリガルヒ、政治ブローカー、弁護士、政党代表者、国内オブザーバーへのインタビューを行いました。

著者
Alvin Camba
発行年月
2023年11月
掲載誌
Journal of Contemporary East Asia Studies
言語
英語
ページ
24
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #新興国
  • #政治・ガバナンス
研究領域
政治・ガバナンス
DOI
https://doi.org/10.1080/24761028.2023.2281165
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