Perceptions of Sport and Women Among Athletes at a South Sudan National Sport Event
JICA緒方研究所について
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本論文では、スポーツへの参画と競技の継続に対する女性特有の困難と課題について、南スーダンの全国スポーツ大会に出場した選手の経験を通じ、定量的および定性的な手法を用いた検証を行いました。これまでの南スーダンに関する先行研究では、家父長制が根強く残っており、女性がスポーツをすることに対する社会・文化的な抵抗が存在することがわかっています。そのため、選手からも同様の意見がでることを予想していましたが、その予想に反して、圧倒的多数の選手たちが女性のスポーツ参画を支持していることが示されました。さらに、スポーツへの参画と女性に対する認識は、ジェンダーや競技種目によってさまざまであることも、収集したデータから明らかになりました。一方、選手たちと同様にコミュニティが女性のスポーツ参画を受容しつつあるのかどうかについては、定かではありませんでした。そこで、選手やコーチ、大会関係者の証言を通じ、スポーツをする上で女性が直面している課題や、コミュニティがスポーツと女性をどのように捉えているのかについて精査を行いました。その結果、南スーダンの状況下で女性がスポーツを継続することを妨げる根本的な社会・文化的・経済的課題が存在していることが明らかになりました。
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