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The New Dynamics of Japan’s Official Development Assistance in an Era of Great Power Competition

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中国の台頭とロシアのウクライナ侵攻によって大国間の対立が激化したことで、日本は外交政策と安全保障政策をより密接に連携させることを迫られています。本論文は、日本政府が重要な外交手段と見なしているODA政策が、こうした変化に直面してどのように変化してきたかを分析しています。最も重要な変革は、ODA の安全保障化、つまり日本の国家安全保障上の利益を促進するためのODA の展開です。この傾向は、中国との領土問題を抱える開発途上国の抑止力を強化することで、日本の安全保障上の利益に寄与することを目的とした、新しいタイプのODAの出現からも明らかです。注目すべきは、日本は国際的な法の支配という普遍的価値を守るという名目のもと、この新たなODAの傾向を正当化していることです。言い換えると、日本は民主主義や人権といった被援助国の国内問題から、国際関係における法の支配に援助の焦点を移しつつあります。これは、普遍的価値を守ることと、民主主義は人権の観点から国内のガバナンスに疑問のある被援助国の政府との関係が悪化するリスクを避けることとの間で、慎重にバランスをとろうとする日本の取り組みの表れと言えます。

著者
志賀 裕朗
発行年月
2023年12月
掲載誌
Journal of Contemporary East Asia Studies
言語
英語
ページ
15
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #新興国
  • #政治・ガバナンス
研究領域
政治・ガバナンス
DOI
https://doi.org/10.1080/24761028.2023.2292438
研究プロジェクト