Applying Intergroup Contact Theory to a National Sporting Event in South Sudan
JICA緒方研究所について
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本論文では、民族間の緊張が高まる南スーダンにおいて、社会変革の目標達成を目指した開発と平和のためのスポーツ(Sport for Development and Peace: SDP)プログラムを分析する枠組みとして、ゴードン・オルポート(1954)の集団間接触理論(Intergroup Contact Theory: ICT)を用いることを試みました。その結果、民族間の緊張が高まる環境において、全国スポーツ大会である『国民結束の日』は、選手たちが接触することで他民族に対する認識を変化させ、民族間の偏見を減少させることができる接触効果を発展させるために最適な条件を備えたプログラム設計となっていることが示されました。そして、この選手たちの認識は、1年以上経っても定着していることが明らかとなりました。このことは、集団間接触理論が紛争影響国におけるSDPプログラムの設計、実施、評価に有用な概念的枠組みであることを示唆しています。さらに、オルポートの接触効果のための4つの最適条件に加えて、本論文では、紛争被影響国にとって重要な条件として、平和共存のための空間の追加を提言しています。
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